選択肢と革新で差別化、「Fusion Applications」は2008年出荷を約束:Oracle OpenWorld 2007 San Francisco Report(2/2 ページ)
米国時間11月13日、「Oracle OpenWorld San Francisco 2007」は2日目を迎え、午後の基調講演では、「選択肢」と「イノベーション」を基軸とするOracleのアプリケーション戦略が語られた。
Web2.0でイノベーション
Oracleは、コンシューマーで急速に浸透しているソーシャルネットワークの機能の取り込みにも貪欲だ。同社は、既存アプリケーションのライフタイムサポートを約束するが、次世代のFusion Applicationsにはイノベーションを盛り込み、移行を促そうと努める。
「セールスの現場においては、会社のオフィシャルな組織が活動するだけでなく、同僚、パートナー、そして顧客からなるさまざまなコミュニティーが作用する。しかし、これらの社会的な側面は、システム化しにくいし、電子メールも効率が悪い」とアポ氏。
ステージでは、顧客に自社の製品やサービスを説明する優れたプレゼンテーション資料を組織に関係なく、より効率的に探すことができるアイデアが紹介された。タグ付けされたプレゼンテーション資料の中から、素早く関連するものを検索し、利用者によるレイティングも参考にできる仕掛けだ。
また、Googleのガジェットを活用して、企業の情報にアクセスするのも分かりやすい例だろう。
2008年出荷に向けFusion Applicationsをデモ
基調講演では、次世代のFusion Applicationsの特徴のひとつとして、業務に組み込まれたビジネスインテリジェンス機能もデモされた。
この組み込み型のビジネスインテリジェンスは、ダッシュボードのような過去のデータを分析するものではない。業務のある局面において、脈絡ある形でナビゲーションしてくれ、より良い意思決定を促してくれる機能だ。画面の左右に業務に関連するマニュアルが表示されたり、その業務に関する専門家の在席情報が現れ、必要に応じてインスタントメッセージングで指示を仰ぐこともできる。
これまでFusion Applicationsの開発を指揮してきたジョン・ウーキー氏が同社を去ったことで、開発の遅れを懸念する声がある。しかし、アボ氏の上司でOracle製品全体の開発を統括するチャック・ロズワット執行副社長は、プレスやアナリストとのQ&Aセッションで、「ジョンは去ったが、計画に何ら変更はない。2008年にFusion Applicationsの最初の製品をリリースする」と明言した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 新機能が目白押しの「Fusion Middleware 11g」でリーダーの座を狙うOracle
- 革新的だったOracle Database 10gを超える「11g」の実力
- Yahoo!やGoogleの躍進をどう思う?──HPのハード会長に聞いてみた
- 「革新的技術はビジネスそれ自体が変革する」とAMDのルイズCEO
- ベールを脱いだ「Oracle VM」、アプリケーションの統合基盤も2.0に
- Oracle創業30年の舞台裏を語るエリソンCEO
- 「顧客の声を生かした」データベース、Oracle Database 11g ローンチイベント開催
- ITトレンドの“眼”:OracleとSAPの「買収合戦」、浮かび上がるソフト業界大再編の予兆
- 11gのビジネスケースとは
- Oracle、「Oracle Database 11g」を発表──400超の新機能を実装
- Oracle 11g Launch Event Report:Oracle、創業30年を「Oracle 11g」で祝う