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激化する価格競争 “コモディティヘル”からの脱出策ELFリポート(2/2 ページ)

市場のあらゆる製品・サービスでコモディティ化が進んでいる――企業間の技術力の差が縮まってきていることが背景にある、と早稲田大学の恩藏教授は言う。価格競争に陥らざるを得ない“コモディティヘル”を乗り越える方策はあるのか?

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リーン消費対応

 リーン消費対応は、商品・サービスそのものの品質や満足度に注目するのではなく、購入までのプロセスに目を向けるという方策だ。顧客が製品を入手するまでの満足度で差をつけるわけだ。

 例えば、カーディーラーの修理対応のプロセスは平均で120分程度要しているというが、そのうちで価値創造に費やされている時間はその半分しかないという。つまり、待ち時間や書類の作成時間などに費やされている。「リーンとはぜい肉をそぎ落とすという意味。購買プロセスの無駄というぜい肉をそぎ落とし、満足度を高めて価値をつくりだす」ということだ。

価格競争を避け、利益を出す方法

 そして、利益を出すためのモデルを見直す必要があるという。価格競争の激しいコモディティのボックス売りで利益を出すのはもはや難しい。そこで、「利益を別のところに求める方向へ転換する必要がある」。

 さまざまな業界で多様な利益モデルのバリエーションが作られているが、「これらの型を使うことで、価格競争を避けることができるようになる」と恩藏氏は言う。

恩藏教授が紹介した利益モデル

  • インストールベース型

ベースとなる製品で利益を上げるのではなく、フォローオン製品で利益を上げるモデル。例えば、ヒゲそりの本体でなく、替刃で利益を出すというようなジレットなど

  • プロフィットマルチプラー型

キーとなる資産をマルチ展開して利益を出すモデル。例えば、キャラクターを他面展開するディズニーなど

  • ブロックバスター型

話題性の低いところコツコツ儲けるのではなく、高いところで大型爆弾的に一気に利益を上げるモデル。例えば、映画や出版など

  • プロダクトピラミッド型

既に価格帯が形成されている市場で、価格ポートフォリオを持って展開するモデル。最も利益率の高いのは高級品のAクラス製品だが、それを維持するためのB、Cクラスというように安価な製品も投入して障壁を築いておく。例えば、時計や自動車など

  • マルチコンポーネント型

ベースとなるビジネスではなく、周辺で利益を上げるモデル。例えば、客室でなく併設のレストランで儲けるホテルなど

  • カスタマーソリューション型

顧客の求めているものの本質を見抜いてビジネスを展開するモデル。例えば、GEなど


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