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SOA×標準化=「新・ものづくり国家」Top Interview(3/3 ページ)

ERPベンダーの雄であるSAPは、ユーザーのこだわりやビジネス環境の変化にも柔軟に対応できる「BPP」(ビジネスプロセスプラットフォーム)を掲げ、経営に貢献する情報システム構築の新しいアプローチを提案する。SAPジャパン 代表取締役社長 兼 CEO、八剱洋一郎氏に話を聞いた。

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エコシステム構築へ

ITmedia 従来の自社開発主義にこだわらず、M&Aもやりやすくなりますね。

八剱 これはわたしの考えですが、逆に買収しなくてもいい戦略でもあります。SAPは標準化をはっきりと打ち出しており、これに賛同するベンダーは、エンタープライズSOAで書き直せば、SAP製品と遜色なく連携します。買収とは、自社の商品として売るために行うものです。しかし、エンタープライズSOAの世界では、他社の商品もそのまま組み込むことができます。全体のシステムとしてSAPが稼働を保証し、サービスを提供し、メンテナンスすればいいわけです。顧客から見れば、SAPの商品であろうが、他社の商品であろうが関係ありません。

ITmedia 経営に資するITと、そうではないITを分けるものは何でしょうか。

八剱 従来型のITシステム構築のアプローチでは、ビジネスのスピードに追いついていけないのは明らかです。ビジネスの要件に合わせてつくっても、稼働するのが3年後ではとうに要件も変わってしまっています。この課題にはなかなか解がありませんでした。

 しかし、開発して、テストして、稼働させていくプロセスを、優れた部品を組み合わせて、テストして、稼働させていくプロセスに変えていけば、工期は明らかに短縮できます。後者がエンタープライズSOAが浸透したときの新しいITシステム構築のアプローチであり、これによって経営者の戦略に対して俊敏に追従できるようになるでしょう。

 新しいアプローチでは、優れた部品を持っているベンダーがより多くの価値を提供できるようになります。SAPは自社の資産を部品化しています。完成された自動車も売っていますが、ハンドルだけ欲しい人にも売れるようにしていきます。これがわれわれの差別化につながると考えています。

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