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暗いニュースに沈む消費者心理――明るいのは子年のジンクスだけ?景気探検(1/2 ページ)

1951年以降の日経平均株価・前年末比を調べてみると十二支の中では平均上昇率が一番高いのは子年の40.3%であり、昨年までの57年間の平均12.4%を大きく上回る。

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 2007年の半ば以降、消費者心理関連データが冷え込んできた。11月の景気ウォッチャー調査では現状判断DI(方向性)が38.8と8カ月連続で悪化し03年5月以来4年6カ月ぶりの低水準になった。また、11月分の消費者態度指数(一般世帯)は前月比39.8と03年12月以来の40割れとなってしまった。

 サブプライムローン問題などの大きな景気悪材料もあるものの、日本の消費者にとっての心理悪化は、年金、住民税負担増、天候不順、ガソリンや生活必需品の上昇などを要因としたものだろう。

矛盾する消費の実態と消費者心理

 しかし、消費総合指数などで消費の実体をみると6・7月分は弱かったが8月分以降はそれなりにしっかりしており、消費の実体と消費者心理は矛盾しているようだ。

 原油価格の高騰・生活必需品の値上げは連日メディアで報じられている。

 このため、日銀の「生活意識に関するアンケート調査・07年9月調査」によると「1年後の物価は何%程度変化すると思うか」という質問に対して平均値は4.6%、中央値は3.0%という極めて高い上昇率が回答されている。

 07年12月の「ESPフォーキャスト調査」によればエコノミストの08年度の消費者物価・コアの平均的上昇率見通しは0.37%、高位8人の平均でも0.59%にとどまっていることとあまりにも大きく乖離している。

 携帯電話通信料などの値下がり効果などを一般消費者があまり意識していないのだろう。しかも、現在の消費者物価指数の算出方法では契約時期の条件付きプランは採用されていないため、実は多くの消費者は物価統計以上に恩恵を受けている可能性がある。

 経済指標の発表でもツキがなく消費者心理を暗くさせるニュースの材料になってしまっているようだ。

 07年11月30日発表の07年10月分の完全失業率は9月分と同じ4.0%で悪いままだと報じられた。しかし、小数第2位までみると、9月分の4.04%から10月分の3.96%まで0.08%とほぼ0.1%低下していた。その証拠に12月28日に発表された11月分は3.8%に改善した。

 ただし、同日発表の11月分有効求人倍率は0.99倍で2年ぶりの1倍割れと報じられたがこれは0.9948倍の0.99倍であった。0.9950倍なら1.00倍にとどまり、1倍割れのニュースにはならなかったはずだ。

 このようにまだまだ昨年末はツキがない状況が続いていたが08年には明るい話題が欲しいところだ。

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