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孤高のモバイル天国に新時代が?新世紀情報社会の春秋(1/2 ページ)

グーグルが開発したとされる携帯端末のプラットフォーム「アンドロイド」、今年日本国内での発売に注目が集まっているアップル社のiPhoneなど、日本の携帯電話市場は大きな変化の波が押し寄せている。

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グーグルの新しい広告モデル

前回結局、ドコモ2.0というのはWeb2.0のことだった、ということを書いた。そしてその関連でもう1つ気になるのが、グーグルが開発したとされる携帯端末のプラットフォーム「アンドロイド」の存在である。先日バルセロナで開催された“Mobile World Congress 2008” においてもいくつかの試作機が出品され、注目を集めた。ドコモもアンドロイドには興味を示しており、端末の発売についても否定はしていない。

 アンドロイドはグーグルが開発したものである以上、それが広告ビジネスの仕組みと無関係であるとは思えない。現状のモバイル広告はPCのウェブ広告と同じ手法で提供されるものがほとんどであり、その効果や収益性は必ずしも優れているとはいいがたい。グーグルもモバイル広告を極めて有望視しているが、そうした根拠は先にも述べた様に、それを利用する人の数がPCの比ではないということと、それがよりパーソナルかつプライベートな動機に結びついているということだ。

 筆者はアンドロイドでグーグルが意図する大きな目的の1つが、モバイル広告(あるいはその進化形)をより効果的で収益の上がるものにすることだと信じている。携帯端末にはメールやウェブなどその人の情報行動の記録が存在するばかりでなく、所有者の時間と位置に関する情報も扱える。さらには音楽や写真、映像の嗜好から、電子マネーの入出金まで非常に多くの個人情報を扱うデバイスなのだ。そうした情報をどのように広告の効果を高めるために活用するかを、グーグルが意識しないほうが不自然というものだ。そしてそこから得られる収益をキャリアや端末ベンダーがシェアできるのだとしたら…。そこにアップルがiPhoneで示した回線利用収入をキャリアとシェアするモデルを想起するのは不自然ではないだろう。

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