「顧客の立場でプロセスを見直すのがSOA」――ハーレーダビッドソンCIO:IBM IMPACT 2008 Report
世界中のバイクフリークから愛されてやまないハーレーダビッドソン。ビジネスにおいては何よりも「顧客志向」が重要だという。
大規模システムのソフトウェア部品や機能を相互に連携させて全体の最適化を図るのがSOA(サービス指向アーキテクチャ)の考え方だ。どうしても技術的な内容がクローズアップされるが、大切なのはSOA導入によりビジネスプロセスがどう変わるかである。
米IBMは4月7日(現地時間)、ユーザー企業やパートナー向けにSOAカンファレンス「IMPACT 2008」を開催した(関連記事1、2)。ユーザーゲストとして登場した米HARLEY-DAVIDSONのジム・ヘイニーCIO(最高情報責任者)は、「SOAはテクノロジーだけの話ではない。顧客視点でプロセスを見直すのがSOAの役割だ」と強調した。
同社は、自社のユーザーに向けたWeb上の地図情報サービス「Rider Planner」でSOAの考え方を取り入れている。同サービスでは、ほかのWebサービスをマッシュアップして、イベントの計画、ロードマップの作成、ホテルの予約、バイク販売店やガソリンスタンドの検索などが実行できる。「システムやアプリケーションだけではなく、エンドユーザーが何を求めているかを考えて、ビジネスプロセスを効率化しなければならない」とヘイニー氏は説明した。
ハーレーの愛好家たちは、自身のバイクに実装したGPS(全地球測位システム)にRider Plannerのサービスを取り込むことで、アメリカ全土で快適なツーリングを享受できるという。
「ユーザーやサプライヤーの視点に立つことが、より豊かなビジネスを生み出すためには必要だ」(ヘイニー氏)
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