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“ギスギス”する職場、その背後にある見えない問題とは問われるコーチング力(1/2 ページ)

社員の不満を解消することで、働きやすい職場を作ることができるかもしれない。だが、それによって企業の業績が向上するかどうかは別問題であるという。

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 先日、大変興味深い調査を目にした。それは「日経ナビ2008 働きやすい会社調査ランキング」である。ご覧になられた方もいるかもしれない。日経ナビは、学生の就職活動に役立つ、企業のさまざまなランキング情報を提供している。働きやすい会社調査ランキングは、その中の1つだ。ビジネスマンが考える「働きやすさ」を実現する制度・環境の充実度により、会社をランクづけしている。もしかしたら、皆さんの会社も入っているかもしれない。

 わたしが注目したのは、働きやすい「会社」のランキングではなく、働きやすさを実現する「制度・環境」のランキングである。(※カッコ内は昨年順位。−は新設の質問のため順位なし)

ビジネスパーソン調査で「非常に重視する」と答えた人の全体に占める比率(日経ナビ2008 働きやすい会社調査ランキングより)
ビジネスパーソン調査で「非常に重視する」と答えた人の全体に占める比率(日経ナビ2008 働きやすい会社調査ランキングより)

 休暇や勤務制度、人事考課に関する事項が上位を占めている。この結果を見て、皆さんはどのように感じただろうか? 例えば、これらの制度・環境が整えば会社の業績は上がるのだろうか?

 残念ながら、上記で示された制度や環境があるからといって、業績のよい会社(組織)になっているとは限らない。これは、皆さんも身にしみて感じていることだろう。わたしもこれまでに100以上の企業組織を見てきたが、働きやすい制度や環境があっても業績の悪い会社はたくさんある。

 実は、これには理由がある。ハーズバーグの「動機づけ・衛生理論」で説明できる。この理論によると、「動機づけ・職務満足」にかかわる要因と「職務不満足」にかかわる要因は別であるとしている。動機づけ要因は、「仕事そのもの」「達成・承認」などであり、これらの要因がなくても職務不満足は引き起こさない。一方、職務不満足を引き起こす衛生要因は、「給与」「作業条件」などである。これらの要因は満たされても職務満足を生まず、不満足を生まないための必要な要素にすぎない。

 つまり、上記の休暇や勤務制度を整備したからといって、業績が上がるほど社員の仕事に対する自発性や創造性が高まることはなく、単に会社や職場に対する不満がなくなるといった意味の“働きやすい職場”にしかならない。企業が衛生要因(不満足要因)を取り除くための制度・環境整備に対し、ある程度の投資をすることに異論はないが、業績を向上させるための「働きやすい職場」とはどういう職場なのかを、これまでの経験を踏まえ重要なポイントをお伝えする。

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