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【第3回】満足できるキャリアへステップCIOの実態(1/2 ページ)

転職を検討するCIOにとって重要なのは、正しい選択ができるかどうかである。単に技術のプロというだけでは通用せず、財務部門やビジネス部門と連携していくスキルが求められる。

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 EMSテクノロジーズのCIO、ジョン・ダンバー氏はフロリダ州の大学でファイナンスを学んでいたとき、あるホテルでバーテンダーとウェイターをして学費を稼いでいた。ある日、同氏は同僚から、ジョージア州マリエッタに本社を置くPOSシステムインテグレーション会社、ポステックのプログラマーの仕事を紹介された。

自分がビジネスを理解していることをビジネス幹部に証明しなければならない。技術のプロであるだけでなく、彼らのビジネス目標の達成をサポートできることが求められる。優れたコミュニケーターであることが必要だ――ジョン・ダンバー氏
自分がビジネスを理解していることをビジネス幹部に証明しなければならない。技術のプロであるだけでなく、彼らのビジネス目標の達成をサポートできることが求められる。優れたコミュニケーターであることが必要だ――ジョン・ダンバー氏

 「彼らからは、『ビジネスが分かっている人が必要なんだ。技術のことは教えるから』と言われた」とダンバー氏は振り返る。同氏は1987年にポステックに入社し、9年間勤務した。現在はEMSテクノロジーズのCIOを務めている。同社は急成長中の中堅企業だ。「わたしはポステックで技術に強くなることができた」

 ダンバー氏が中堅企業のIT担当役員になるまでの道のりは、小さな一歩の積み重ねだ。同氏は、幅広いビジネスと技術の経験と資格を身につけるなど、多くの賢明な選択を行ってきた。しかし、同氏の歩みは、キャリアを築くための計算された行動の軌跡ではなく、技術者が偶然のチャンスを生かそうと奮闘してきた軌跡だ。

 「これまで、ほとんどの仕事は同僚のつてで見つけてきたと思う」とダンバー氏は語る(今回の調査の回答者のうち4分の1以上がそう答えている)。

CIOの大半は5年以内に転職を希望

 転職したいと考えているCIOにとって重要なのは、正しい道を選ぶことだ。調査に回答したCIOの約60%は、今後3〜5年の間に転職したいとしている。多くの場合、少しずつ動くことが、キャリアの最終目標に近づくコツだと、ニューヨークに本社を置く人材会社、バタリヤ・ウィンストン・インターナショナルの技術系職種部門のパートナー、カースティン・スミス氏は語る。

CIOの平均在職期間
CIOの平均在職期間

 「少しずつキャリアを進むのが望ましい」と同氏。「往々にして、一足飛びに進もうとすると失敗する。一歩ずつ、着実に進むべきだ」

 例えば、ダンバー氏はポステックに勤務しながら、ジョージア州立大学でコンピュータ情報システムの修士号を取得した。「最初の仕事が極端に『狭く深く』だったため、スキルの幅を広げようと決意した」(同氏)

 次に、ダンバー氏は1996年、BTGアメリカズにITマネジャーとして移った。同社はスイスの紙・パルプ業界向け装置メーカー、BTGの米国法人だ。同氏は2000年には、ジョージア州ノークロスにあるBTGアメリカズのオフィスに席を置きながら、BTGの世界の拠点のIT業務を統括するグローバルITディレクターとなった。

 「各地に分散したITを統合し、全社員が1つのグローバル企業の一員として行動するための環境を整備するのは、大変な作業だった」と同氏。「だが今日では、グローバルな仕事を経験するのは誰にとっても非常に重要であり、とてもプラスになった」

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