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【第3回】満足できるキャリアへステップ:CIOの実態(2/2 ページ)
転職を検討するCIOにとって重要なのは、正しい選択ができるかどうかである。単に技術のプロというだけでは通用せず、財務部門やビジネス部門と連携していくスキルが求められる。
やりがいある挑戦の扉を開く
しかし、ダンバー氏は、ビジネスのすべての側面に密接に関与したが、同氏の役割はあくまでITサポートにとどまっていた。そこで同氏は、より戦略的な職務に挑戦したいと考えるようになった。そのチャンスが訪れたのは2003年のこと。同氏は同じくジョージア州ノースクロスに本社を置くEMSテクノロジーズのCIOに任命された。同社は年商3億ドルの無線・衛星システムメーカーだ。
「CIOになると、財務部門や各ビジネス部門と連携して、会社の競争力強化に貢献する機会がある」とダンバー氏。「結果を出すためには、自分がビジネスを理解していることをビジネス幹部に証明しなければならない。技術のプロであるだけでなく、彼らのビジネス目標の達成をサポートできることが求められる。優れたコミュニケーターであることが必要だ。CIOの肩書きは、やりがいのある挑戦の扉を開いてくれる。あとは実力しだいだ」
ダンバー氏のキャリアの最終目標は、大きな会社で自分の可能性を最大限に発揮することだ。同氏はEMSがその会社になると考えている。
一方、同氏は、人的ネットワークの維持にも積極的に取り組んでいる。同氏は情報マネジメント協会アトランタ支部の会計管理者、ジョージア州CIOリーダーシップ協会の役員、アトランタCEOハイテク協議会のメンバーだ。
「われわれは有望な人材の育成について話し合っている」と同氏。「わたしはチャンスを用意して、自分にできる協力をしようと心掛けている」
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