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経営者はCIOやIT部門に何を期待するかGartner Column(1/5 ページ)

ガートナー ジャパンの小西一有です。「経営とITの関係を改善する」という難解なテーマについて、調査結果を基に読者の皆さんに説明したいと考えています。

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 ガートナー ジャパンのガートナー エグゼクティブ プログラム (EXP)エグゼクティブ パートナーを務める小西一有(関連記事)です。CIOや上級ITエグゼクティブの皆さまに全世界レベルでの会員制プログラムを提供する「エグゼクティブ プログラム」の国内事業責任者を務めております。ITmedia Enterpriseで連載します。どうぞよろしくお願いします。

 「経営とITの関係を改善する」という難解なテーマについて、読者の皆さんに説明したいと考えています。連載によって少しでも皆さまの業務や活動のお役に立てることを願って執筆いたします。せっかくのウェブメディアでの連載ですから、ご質問やご意見をたくさんお寄せいただきたいと思っています。可能な限りご意見を反映し、双方向性を持つコンテンツにします。

 第1回目は「経営トップがCIOやIT部門に何を期待しているのか?」についてお話します。経営とITの関係を改善するための第一歩は、経営トップがCIOやITに何を期待しているのかを知ることだと考えています。

 ガートナー エグゼクティブ プログラムは2000年から毎年、全世界のCIOを対象に「ガートナー EXP CIO サーベイ(調査)」を実施しています。この調査は、全世界30カ国以上の政府・公共機関を含むあらゆる産業の組織に所属するCIOを対象に実施しております。

 有効回答数は1500を超えており、これらのCIOが管轄するIT予算の平均額は、約100億円程度となっています。日本でも、この調査にご協力いただいております。2007年末に実施した「ガートナー EXP CIO サーベイ 2008」においては、28社のCIOから回答を得ました。

 日本では政府や公共機関から回答を得ることができませんでしたが、1社あたりのIT予算の平均額は200億円弱に達しており、世界のCIOに比べてややサイズの大きな国内有数の大企業の皆さまにご協力いただいております。この調査は、規模(回答数、参加国数、参加業種)や質(回答企業のサイズ、継続性)から見ても世界有数であると自負しています。

 あらゆる経営者は自社の成長を願って止みません。これは真実です。では、自社の成長とは何でしょう? ここで定義します。「競合他社を押し退けて、業界トップ企業の場合は2位以下にさらに差をつけて競争に勝つこと」なのです。「額に汗をかいて一生懸命に働いていれば勝てる日が来る」なんて考えていらっしゃいませんか。競争社会においては、勝つための仕組みをじっくり考えて実行する必要があるのです。

 ライバル企業やCIOが考えていることを知るのは重要です。勝つために、方策を練ることが「戦略」であり、その第一歩は、競合の弱みを知り、自社の強みを最大限に生かして勝ち方を考えることです。

 「ガートナー EXP CIO サーベイ」では、毎年同じ質問をしています。1つは「CIOのビジネス上の優先課題は何ですか?」です。これは「企業が、CIOに期待していること」もしくは「経営トップが、CIOに課している課題は何ですか?」ということです。まずは結果をご覧ください。


表1

 表1は、グローバルのCIO1500人のランキング結果です。大きな特徴が2つあります。1つ目の特徴は1位の「ビジネスプロセスの改善」です。この奥深いテーマが、2006年から3年連続で首位を独走しています。表にはないのですが、実は2005年から4年連続で首位です。言い方を変えれば「トップからの課題を3年も4年もかかって、まだ結果が出ないのか!」とか「ビジネスプロセスの改善って、3年や4年で片付かないのか……」とか、そんな感じでしょうか。

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