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経営者はCIOやIT部門に何を期待するかGartner Column(5/5 ページ)

ガートナー ジャパンの小西一有です。「経営とITの関係を改善する」という難解なテーマについて、調査結果を基に読者の皆さんに説明したいと考えています。

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CIOへのアドバイス


表2

 ここで、表2をご覧ください。これは表1の日本とグローバルとの比較です。日本の第1位も「ビジネスプロセスの改善」となりました。昨年の4位から上昇しました。ここには表記されていませんが、2006年は7位でした。グローバルで第1位になった2005年は13位でした。徐々にではありますが、確実にプロセスベースの考え方は日本に浸透しつつあると考えられます。

 そして、その旗手には経営トップからの信認を勝ち取った、CIO/IT部門が選ばれているのです。会社組織の中で、縦割りになっている組織を横串に刺してプロセスベースで業務を設計できるのはCIO/IT部門だけということに、日本の経営者もようやく気がつき始めたのです。

 前出の某企業のように何年も前から気付いている経営者がいらっしゃるのも事実ですし、先進的なCIOとして表彰されるなど成功を収める方々は、既にプロセスベースの考え方を取り入れ、発展させてきました。これらのCIOに共通していえることは、経営トップの信認があってこそ、偉業を成し遂げることができたことです。

 「経営とITの関係を改善する」ことの第一歩は、経営トップに心地良い「ビジネスプロセスの改善」を推進し、結果を出すことにありそうです。ガートナー エグゼクティブ プログラムは、「ビジネスプロセスを改善」することを主導しようとするCIO/IT部門にこうアドバイスします。

 「ビジネスプロセスは、情報システムの問題ではなく、企業の戦略を具現化するための人々の行動そのものなのです。情報システムは、それを実現するためのツールでしかありません」

 そして、「CIOやIT部門がビジネスプロセスの改善を主導することは、企業にもCIOやIT部門にも大きな利益をもたらす可能性があるが、逆に無能さを露呈するリスクもある。十分に準備と検討をしてから取り掛からなければならない」とアドバイスしています。

著者プロフィール:小西一有 ガートナー エグゼクティブ プログラム (EXP)エグゼクティブ パートナー

小西一有

2006年にガートナー ジャパン入社。それ以前は企業のシステム企画部門で情報システム戦略の企画立案、予算策定、プロジェクト・マネジメントを担当。大規模なシステム投資に端を発する業務改革プロジェクトにマネジメントの一員として参画した。ガートナーでは、CIO向けのメンバーシップ事業「エグゼクティブ・プログラム(EXP)」の日本の責任者を務める。日本のCIOは、経験値だけでなく、最新のグローバル標準を研究した上で市場競争力を高めるべきとの持論を持つ。


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