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そもそも何かがおかしい――役員が社内で長時間PC麻雀間違いだらけのIT経営(2/3 ページ)

Web2.0、はたまた3.0という時代に社内のインターネットによる情報収集を禁止している企業が、まだまだある。禁止か開放か、時代錯誤さえ感じるテーマから見えてくるものは、やはり企業風土の持つ重みだ。

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暇つぶしの道具など与えてなるものか

 もう1つの例がある。電気製品販社のC社トップDは、やはりインターネットの導入を許さなかった。理由は、インターネットを導入すると私的利用が多くなり、時間と費用に無駄が生ずるとの複数情報を、仲間から得たからである。

 確かに、それは言える。ネットスターとボーダーズの共同調査によれば、職場でのインターネット利用目的を尋ねたところ、「気分転換」が44.4%、「暇つぶし」が32.7%にもなっている(2008.4.11〜14調査、20才以上男女、会社員と学生500名対象、インターネットリサーチ)。

 筆者自身も、勤務時間中はともかく、昼休みやアフター5に従業員たちがPCゲームに興じる現場を多く見ている。勤務時間中に密かにゲームに興じていないという保証はない。しかも、こともあろうに某中堅企業の役員が勤務時間中に頻繁にPCの麻雀ゲームに熱中しているという話を秘書から聞かされたこともある。こういう噂を耳にすれば、トップとして苦々しく思うと同時に、アンチ・インターネットになりたくもなろう。

 しかし、A社・C社共に、不幸な会社といえるのではないか。B社長・D社長が失うまいとして意固地にインタ−ネットを導入しないで守っているものよりも、インターネットを導入して得るものの方が大きいのではないか。インターネットを導入しても、失うものは大したことがない。両社長は、枯れ尾花に怯えているのである。

 A社と同じように、情報漏えいやウイルス攻撃を心配して一時インターネット導入を控えていた某社が、思い切って導入して3年経つが、心配していたようなことは起きていない。

 いや、もちろん時と場所を選ばずに心配したことが起きる可能性は大いにある。であるなら、手を打っておけばいいではないか。完璧ではないが、方法はいろいろある。

 A社の場合、情報漏えい対策としてハードウェア・ソフトウェア両面で打つ手はある。例えば、PCからHDDを省いて内部情報を一切保存できない専用端末(シンクライアント)、あるいはHDD全体を暗号化するソフトウエアやPCなどを導入する手もある。

 ウイルス侵入対策についても、セキュリティソフトウエアが数多く紹介されている。対策には当然それなりの費用はかかるが、費用対効果で判断すべきだ。

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