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リーダーに自己変革が必要なわけ問われるコーチング力(1/2 ページ)

状況を的確に把握し、チーム(組織)を良い方向へ導く力がリーダーに求められるのは、五輪団体競技のようなスポーツであってもビジネスの世界であっても同じである。そのためにリーダーがすべきこととは?

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 北京オリンピックが開幕した。連日白熱した試合が行われ、日本も水泳や柔道などでメダル獲得が相次ぎ、盛り上がっている。北島康介選手がオリンピック2大会連続で金メダルを獲得したことに、身震いした人は多いのではないだろうか。

 スポーツの競技、とりわけ団体競技において、リーダーの果たす役割は大きい。試合の中で、チームの置かれた現状をしっかりと把握して的確に指示を出し、人を動かす。また、試合の状況は変化し続けるので、今の問題は何なのか、次の一手は何かを常に考え、変革を繰り返し、チームを勝利へと導く。

 変化の激しいこの時代において、ビジネスの現場でも、リーダーには自己変革が欠かせない。リーダーの一番の仕事は何だろうか?それは組織を成長させることである。組織は成長し続けないと生き残ることができない。リーダーは組織を成長させるために、常に考えて行動することが求められる。組織を成長させるリーダーは、次の2つを持っていなければならない。

 (1)組織に同調するところ

 (2)組織に異質なところ

 「組織に同調するところ」とは、組織のビジョンや価値観に共感し、組織を愛し、組織に尽くすことである。ただ、それだけでは足りない。「組織に異質なところ」が必要なのである。組織は往々にして一人歩きしてしまう。

 例えば、今の厚生労働省。本来の目的は国民の生活を守るべきなのに、薬害エイズやC型肝炎など、問題が発生しているにもかかわらず、患者の名前を出さないという問題を引き起こしている。社会保険庁にいたっても、年金を実際に払っている人のリストがないという、ひどい状態である。

 組織に属している人は、その事実を知っているにもかかわらず、目をつぶり、歴代のリーダーも見て見ぬふりをしてきた。「みんながやっている」「みんな知っているけど何も言わないから問題ない。ほおっておけばいい」そのような考え方が当たり前になってしまうのである。

 組織を成長させるためには、自分の今までのやり方でいいのだろうか、この組織はこのままでいいのだろうか、いったん立ち止まって考えなくてはいけない。

物事の本質を見抜け

 優秀な人材を登用すべきではないか、現場の問題点があるのではないか。物事の本質―――人の質、組織の質、現場の質を見抜き、自分の目で判断する。組織の将来性に疑問を持ち、世の中の趨勢や同業他社の動きを見ながら、業務的な無駄があるのではないかと、常に考える。

 自分は営業畑だからとか、技術畑だからなどとは言っていられない。技術畑の人間でも営業の現場に行って、営業の現場にどんな問題があるのか、自分の目で確認し、本質を徹底的に見る。

 組織に同調ばかりして、どっぷり浸かっていては、組織を変えることはできない。業績が良いときこそ、客観的な視点を持って、何か問題が隠れていないかを見極め、対策を打っていかなくてはならない。

 現在は世の中の変化のスピードが著しい。ビジネスの現場でも、昨日まで通用したやり方が、今日は通じないということがしばしば起こっている。その変化に乗り遅れないためにも、リーダーは常に自己変革をしていくことが欠かせない。

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