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リーダーが変革できない3つの理由問われるコーチング力(1/2 ページ)

目まぐるしく変化するビジネス環境に合わせ、企業や組織も常に変革していかなくてはならない。その先頭に立つのがリーダーだ。しかしながら、“優秀な”リーダーであればあるほど組織にとって足かせになってしまうという。

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 盛り上がった北京オリンピックも終わりを迎えた。数々の真剣勝負に感動した人も多いのではないか。競泳の北島康介選手は、平泳ぎ100メートル、200メートルの両種目で2大会連続の金メダルを獲得した。彼のすごいところは、常に自己変革を続けていることである。

 金メダル獲得や優勝をしてしまうと、燃え尽きてしまうアスリートたちは多い。実際、北島選手もアテネオリンピック後は、スランプに陥り結果が出ないときもあった。しかし、さらなる目標を掲げ、フォーム改善に取り組み、今回の結果を生み出した。

 並外れた強い精神力を持っているということもあるが、日々の努力――自己変革があってこそ、実現できたものである。

自己変革が困難になる3つの理由

 前回、変化の激しいこの時代、ビジネスの現場でも、勝ち続ける組織を率いるリーダーには、仕事を楽しみながら真剣に取り組むとともに、常に問題意識を持って自己改革する姿勢が求められると述べた。ところが実際には、組織の上に行けば行くほど、行動を変えることが難しくなるという傾向がある。自己変革が困難になるのである。なぜだろうか。

 わたしは、以下の3つの理由があると思っている。

1. 成功者として自信がある

2. 楽観している

3. 苦言を呈する人がそばにいない


成功者として自信がある

 リーダーは自信を持っている。これまでずっと成功してきて、今までやってきた行動スタイルで、これからも十分にやっていけると思っているのである。また、自分はほかの人よりも優れていると思い込んでいて、実際に、他人よりも収入が多くこれまでの出世も早かった。なぜ成功しているのに、自分自身が自己変革をしなくてはいけないのか、これまでうまくいっていたのだから、これからもその方法でうまくいくと思ってしまう。

 こうなると、リーダーとしてはそこでおしまいである。なぜなら、世の中は常に変化していて、会社も組織も変化し続けているのである。会社はお客様が喜ぶことを常に考えなくてはいけない。そのためには、組織自体も成長し続けなくてはならないのである。

 例えば、テレビやIT機器などを考えてみると、古いものを買おうとする人はいない。いつも新しいものを欲しいと思っている。新しいものでなければ、誰も見向きもしない。常にお客様のニーズを読み取り、満足させる製品を開発し続ける。それに終わりはない。

 そこに立ち止まっているリーダーがいたとする。自分が成功者だとあぐらをかいているリーダーがいる。どうなるか。結果は一目瞭然である。その組織は衰退していくだけである。

 劇的な変化は必要ないときがあるかもしれない。順調に事業が育ち、業績も上がっている。そのときは、その成長の動きを止めないよう目配りをする。ただ、さらに成功したい、さらに業績を伸ばしたいと思っているならば、立ち止まってはいられないはずである。過去の成功に縛られず、先を読んで、新しいニーズを掘り起こす必要がある。

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