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必要なデータごとに抽出する「道具」を変える――日産化学工業化学製品企業のデータ分析(2/2 ページ)

基幹システムからデータを引き出して、自由に分析を加えるということは多くの企業が取り組んでいることだ。しかし、実際にはその作業には手間や時間が必要以上にかかっていることが多い。

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5分かかっていた検索が10秒で

 Nwebの改善によって、データ活用のツールを一本化することを念頭に、BWの社内ユーザーを調べると50ユーザー程度だった。Nwebのユーザー数は1000だったので、一気に移行するよう各部門へ連絡をした。すると思わぬ反応が返ってきた。

 「とんでもない、どういう使い方をしているかちゃんと理解してもらいたいという意見が出てきました。聞いてみると、ユーザー数は名目50でも、各部門で50ユーザーがBWを利用してそこで得られた結果をその10倍以上の人が閲覧していると。急な移行の影響度はとても大きいと分かったのです」

 Nwebの改善は目標とされていたが、利用期限が切れるBWのユーザーがすぐに使えるツールを用意する必要が出てきた。玉島氏がすぐに思い出したのは、ウイングアーク テクノロジーズのDr.Sum EAだった。


システム構成図

 「基幹システムの再構築の時、品質分析データから分析票を作成するツールにウイングアークさんの製品を利用していました。その導入の時にDr.Sum EAも紹介してもらっていました。そのときは導入には至らなかったのですが、簡単に使えるツールはこれしかないと考えました」

 導入はぶっつけ本番に近い状態だったが、若干の修正をして稼働にもっていった。BWのユーザーもこれなら大丈夫だと太鼓判を押したという。

 「データ分析といっても、組織の階層によって活用の仕方はさまざまです。経営層やそれに準じる立場では大きくデータをとらえることが必要ですが、現場の担当者に近くなればなるほど、明細データを知りたがります。扱うデータや出したい結果によって活用するツールは違ってきます。もちろん、必要なデータはすべて用意されているのですが、これをある切り口に切り出していくには、道具が違うということですね」と玉島氏は話す。調理のさまざまな場面で使う包丁や料理道具を使い分けるのと同じことなのかもしれない。

 Dr.Sum EAを活用することで、これまでのデータ検索は平均5分から10秒に短縮された。現在Dr.Sum EAのユーザー数は約250。今後ますます増加していく予定だという。

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