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自ら考え創意工夫を重ねることが、今求められている「2009年 逆風に立ち向かう企業」東レ(2/2 ページ)

東レの情報システム部門長、重松直氏は「厳しい時期には創意工夫をいかに凝らしていくかが大切。部門にとっての成果とは何かを常に明示していきたい」と話す。

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「創意工夫」をキーワードに

ITmedia これから事業環境は非常に厳しいものになっていくと予測されますが、東レの情報システム部門としてはどのようなことを心がけていくのでしょうか。

重松 東レは中期経営課題として「プロジェクトInnovation TORAY 2010」というものを掲げて事業構造の改革と企業体質の強化による事業拡大・収益拡大を推進しています。情報システム部門ではそれをベースに「創意工夫で試練をチャンスに」というフレーズを掲げています。具体的にはコミュニケーションツールの充実ですね。こういう環境の下で求められるのはスピードです。コミュニケーションのスピードを上げるにはどうすればいいのか、それを各部門、各関係会社の声を聞き最適なツール、ソリューションをいかに早く提供するか、といったことですね。

ITmedia それは具体的なツールを何か導入するということなのですか。

重松 ケースによってはそういうこともあるかもしれませんが、既存の仕組みの使い方の中でどんな創意工夫が考えられるかということも大切だと思います。今ある情報資産をどう生かすか、ユーザーはどんな情報を求めているかを徹底的に探っていくことが求められていると思います。経営サイドがユーザーであることもあるし、一般の現場社員がユーザーのこともあるわけで、これもまた、さまざまな組み合わせを想定して情報の使い方の工夫の仕方に知恵を絞る必要があります。

ITmedia 不況になるときめ細かな管理が求められるようになりますね。そうしたニーズにも応えていく必要があるでしょうね。

重松 そうした要望が出てきたときに、使い勝手が悪いと継続的に情報資産を活用することはできないですから、そこでも創意工夫がいままで以上に求められるでしょう。

ITmedia システムの改修という面でも創意工夫は必要になりますか。

重松 これまで構築してきた中で、どうしても無理をしてきた部分がありますから、それを今の時期に修正しておくことも大切ですね。どうしてもユーザーの使い勝手を優先してシステムとしてはスマートではない作りになっている部分もあります。そこをもう一度チェックして対応していく必要があるでしょう。また、使っていない機能を整理して、削除するものはしっかり消していくことも大切。後で必要となるかもしれないと残していたけれど、結局は不要となっている機能もあります。今のうちにこうした地道な取り組みをしていないと、いざ大きなシステム改革が必要となったとき、対応のスピードが鈍くなってしまうのです。

ITmedia そうした意識を部門内で徹底するのも大変だと思うのですが。

重松 大型のプロジェクトを次々にこなしていかなくてはならない時期は、スタッフも成果感を容易に得やすいのです。達成感も充実感もすぐに高くなる。しかし、今のような大型投資案件が少ない時期にもやるべきことがたくさんあって、ひとつひとつこなしていかなくてはならない。モチベーションを維持していくには、「何が今成果として期待されているか」を明示しなくてはならないと考えています。外から要請されるものに取り組んでいるとき以上にマネジメントの力が必要になりますね。今は自ら発想し創意工夫を積み重ねる、そしてその中でしっかりと成果感や達成感を得るということが重要です。

ITmedia 重松さんご自身の2009年の目標は?

こういう時期だからこそ少しでも「余裕」を持ちたいですね。わずかな時間の中からでもじっくりといろいろなことを考える余裕を意識して作っていきたい。趣味は推理小説や歴史小説を読むことなのですが、こちらもそうした余裕の中で楽しみたいと考えています。なかなか時間が取れなくて机に積んだままのものが多いのですが。

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