IT企業が新入社員に求めるのは「自ら考え、切り開く力」:2009年度トップ訓示(2/3 ページ)
2008年から続く不況の中、企業は新入社員にどういった役割を期待しているのか。社長の訓示を集めた。
日本HP 小出伸一社長
3つのことを話したい。1つ目はプロフェッショナルになること。単に技術やスキルを身に付けることだけでなく、プロフェッショナルとしての意識を持つことが重要だ。2つ目は人的ネットワークを持つこと。プロフェッショナルになるためには自分を磨いていく必要がある。ぜひ、たくさんの人からアドバイスをもらえるように関係を広げてほしい。3つ目はゴールを設定すること。なるべく高いゴールを設定して、そのために今日何をするか、今何をするべきか、1年間、2年間で何をしなくてはいけないかを考えてほしい。
日本オラクル 遠藤隆雄社長
入社した皆さんは、学生から社会人になった。つまり、お金を使う立場からもらう立場になった。皆さんがもらう給料とは何か。会社から定期的に振り込まれるのが給料だが、元をたどると顧客からいただいたもの。製品やサービスに対する顧客の対価が給料になる。まずその感覚を身につけてほしい。
学生時代に学んだ多くのことはビジネスでも大いに役立つ。課題に直面したとき、その解決方法を考え、整理、発表することで、評価を受ける。勉強の場で発生する論理的思考やアプローチ、プロセスなどはビジネスですぐに活用できる。
オフィスの中でわたしや仲間を見かけたら、是非話しかけてコミュニケーションを取ってほしい。社内で仲間と近況を共有し、話し合える環境は大事だ。皆さんの活躍で、オラクルを自由闊達(かったつ)な会社にしてほしい。
日本ユニシス 籾井勝人社長
「社会の常識人」として基本的なルールを守り、責任を完遂することを約束してほしい。会社に入ったばかりなので、会社人として学ぶことがたくさんある。一日も早く会社のために役に立ちたいとあせる気持ちもあるが、会社人としては未熟。この時期にシステムの基礎や社会人としての常識を学んでもらいたい。
2008年は従来のシステム開発に加え、新たにICT(情報通信技術)サービス事業にも参入した。顧客のコンピュータの利用形態も「所有する時代」から「利用する時代」に変わろうとしている中、時代の潮流を読み、次の一手を打つことが重要だ。若い社員の発想や行動力に期待している。
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