IT企業が新入社員に求めるのは「自ら考え、切り開く力」:2009年度トップ訓示(3/3 ページ)
2008年から続く不況の中、企業は新入社員にどういった役割を期待しているのか。社長の訓示を集めた。
沖電気工業(OKI) 篠塚勝正社長
グループを上げて売り上げの拡大や市場開拓を進める成長路線を取っている。新入社員には創業から持ち続けている2つの遺伝子を受け継いでほしい。1つは「進取の精神」。失敗を恐れず未知の世界にチャレンジし、新しい時代の要求にあった技術・商品、新しいビジネスモデルを開発して、メーカーとしてものづくりにこだわってほしい。もう1つは「誠実」に仕事をやり遂げる姿勢。顧客企業や社内外のパートナー企業に対し、どのような場面でも誠実な行動を取る。何ごとにも誠実な態度で行動すれば、必ず相手に通じ、その姿勢によって誠意ある人と認められる。
NECソフト 国嶋矩彦社長
2008年から「世界トップクラスのソフト会社に」という経営目標を掲げている。それは売り上げや利益ではなく、経営力、事業遂行力、人材力のランクアップであり、外部から素晴らしい会社だと評価されることを指す。そのために、外部から認められる会社であること、グローバルに活躍するプロフェッショナル集団であること、人と技術をつないで新たな価値を創造することが求められている。この3つに沿って自ら考え、行動し、仲間と力を合わせてその思いを実現してほしい。
ITホールディングス 岡本晋社長
社会人としてグループの一員となった皆さんには2つお願いしたい。1つは自分の将来にビジョンを持ち、計画を立てて行動してほしい。何も考えず言われたことをこなしていても日々は流れる。5年後、10年後には高い志を持って成長していった人と流されて過ごした人とでは大きな差がつく。もう1つは好奇心を持ち続けてほしい。好奇心がすべての進歩の源だ。これはどうしてだろう、これは面白そうだ、これをこうすればどうなるのだろう――という柔軟かつ前例にとらわれない心が進歩を助ける。
ソフトバンク 孫正義社長
30年後、皆さんが今のわたしと同じ年代になる頃には、コンピュータはわれわれの頭脳をはるかに超える能力を持つようになる。人々の生活は、今からは想像もできないほど劇的に変化する。こうした時代にインターネットを通じて人々に新しいライフスタイルを提供する。それこそがわれわれソフトバンクの使命だ。同じ志を持つ「同志」として一緒に頑張ろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「従来のITサービスからの脱皮を」――IT企業社長、2009年の意気込み
未曾有の金融危機が国内の企業にも波及し、IT投資は鈍りがちとの見方が強い。2009年、IT企業はこの壁にどう立ち向かうのか。社長の意気込みを伝える。 - 「グローバルへの意識」「プロの自覚を」――新年度がスタート、IT企業社長の意気込み
新入社員が社会人生活をスタートさせた4月1日――IT業界では社長が決意を新たに訓示を述べた。ITおよび通信各社の社長の声を集めた。 - 「入社してからメッセンジャーだけに頼らなくなった」――マイクロソフト
「若手社員が考えるITとは?」をテーマに、IT企業で働く新入社員に思いのたけを語ってもらった。第1回はマイクロソフトを突撃。独自の教育方法や、MS社員の意外な一面も垣間見えた。 - 外国人も日本人社員に「SAN」付け――日本IBM
IT業界で働く新入社員に思いのたけを語ってもらう座談会も今回が2回目。グローバルで優秀な人材を輩出するIBMの社員教育や組織のあり方を伺うことができた。 - 1000万ユーザーからの反響がやりがい――ミクシィ
IT業界で働く新入社員の生の声を伝える座談会企画。第3回目を飾るのはミクシィだ。「1000万人の反響にやりがいを感じる」「将来は時間銀行のような概念が生まれる」――枠にとらわれない彼らの発言から、ミクシィがはぐくんでいる企業文化が見て取れる。 - 悪戦苦闘の開発プロジェクト体験研修――日本オラクル
企業買収に対し常に積極的な姿勢を示すオラクルは、買収もビジネス戦略の1手段として、ここ数年でさらなる成長路線に踏み出している。新人は入社後すぐに、そうした企業マインドを徹底的に叩き込まれる。 - <オルタナティブ・ブログ>今年の新入社員は「クラウド型」(仮)(シロクマ日報)
- <オルタナティブ・ブログ>2009年の新入社員は「クーリングオフ付き多機能炊飯器型」(「走れ!プロジェクトマネージャー!」)
- <オルタナティブ・ブログ>2009年。今年の新入社員はアウトレット型と命名(一般システムエンジニアの刻苦勉励)
- <オルタナティブ・ブログ>2009年度の新入社員は「アイススケート型」か「スマートフォン型」がいい!?(『ビジネス2.0』の視点)
- <オルタナティブ・ブログ>今年の新入社員は、カツ・コバヤシ型。育成次第でクラウドを使いこなす有能なニュータイプにもなり得るか(Azureの鼓動)
- <オルタナティブ・ブログ>平凡でもフルーツでもなく、、、風:今年の新入社員は「5万円パソコン型」(平凡でもフルーツでもなく、、、)
- <オルタナティブ・ブログ>2009年度の新人は「タッチパネル式携帯型」〜新年度の新入社員のタイプを考えてみようという企画(ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦)
- IT投資の必要性を熱く語ったNEC矢野社長の決意
国産IT大手ベンダー各社が先週、相次いで明らかにした2009年3月期の連結業績見通しから、今後の企業のIT投資の行方を探ってみたい。 - 「自由闊達な体制を作る」――日本IBM橋本新社長、経営方針を披露
日本IBMの橋本孝之新社長が、2009年の経営方針を説明した。景気の悪化に負けない企業体制の構築を目指し基礎固めを優先しながら、顧客営業の強化にも乗り出すなど、新生IBMの礎を築く1年にする。 - “3本の矢”を軸に従来モデルからの脱却を――NTTデータ・山下社長
請負型中心のシステムインテグレーターからの脱却を目指すべく、ビジネス領域の改革、拡大に力を注ぐNTTデータ。今後の事業展開において鍵を握るのが“3本の矢”だという。 - 顧客の顧客に注目する
2008年に就任した富士通・野副社長の好きな言葉は、成功するために耐えるという臥薪嘗胆。米国の金融危機に端を発する大きな不況の中で、舵取りが世界から注目されている。 - Sense and Respondで顧客と向き合う
景況感が悪化の一途をたどる中、ソフトウェアベンダーはどのような方法で顧客に提案するのか。巨大ソフトウェア企業に変貌した日本オラクルの遠藤隆雄社長に話を聞いた。 - 日本ユニシスの4〜9月期は減収増益 「SaaSの収益化は難しい」と籾井社長
日本ユニシスの中間期は減収増益だった。人材配置や不採算事業の最適化などで利益を増やした。今後拡大を見込むSaaSビジネスについては、収益化が困難との見通しを示した。 - <オルタナティブ・ブログ>新入社員の方々に一言。「頑張ってください!」でも「頑張ってます」と口にはしない方がいいですよ(笑)(トラパパ@TORAPAPA)