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トヨタの「自前主義」に微妙な変化――情シスを統括する大西常務ロングインタビュー(4/5 ページ)

情報システムを開発し、所有する「自前主義」を貫いてきた同社だが、深刻化する不況の中で、それも微妙に変化している。トヨタで情報システムを統括する大西弘致常務役員に話を聞いた。

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トヨタは危機への対応が早い?

ITmedia トヨタはさまざまな場面で危機への対応が早いと聞きますが、実際にはどうでしょうか。情報システムも含めて教えてください。

大西 決して早くはありません(笑)。ITで世界の拠点の稼働の最適化を目指していますが、それを統制するコーポレートガバナンスの強化をもっとするべきだと思います。例えば、減産の判断をする際にも、いわゆるリーディングカンパニーとしてのバランスに配慮するあまり、1つ1つ見直す時間がかかりすぎる傾向があります。

ITmedia クラウドコンピューティングが情報システム構築における次の潮流として話題になっています。クラウドについてどのような考え方をお持ちでしょうか。

大西 実情としては、トヨタ本社がグループ各社のクラウドコンピューティングをしているようなものですので、別の形というのがいま1つ想像できない印象です。ただし、このままの状況ですと、CAEのところは使用頻度がさらに増大することが予想され、真面目にクラウド化を検討する必要があるかもしれません。

ITmedia カイゼン、カンバン、JIT(ジャストインタイム)といったトヨタを象徴する言葉がありますが、その面での進化というのはどうなるでしょうか。

大西 これからのカイゼンの視点や目指すべき効率化の形は今後出てくると思います。同心円的成長からの脱却というテーマが社内にあります。いつまでも全方位ではなく、どこかに尖った点も必要です。

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