理想のタスクリーダーはすべてを「決めない」「抱えない」:タスクチームのススメ(6)(2/3 ページ)
タスクチームを成功に導くリーダーは、活発な議論を通じてタスクチームが目標に向かって活動できるようにリードすること、そしてチームを支える裏方に徹する必要がある。最終回となる本連載では、タスクリーダーと事務局に求められる心得を紹介する。
6-3 リーダーと事務局は裏方である
タスクメンバーは組織の要職を務め、総じて多忙だ。タスクチームが意味のある成果を生み出すためにも、タスクメンバーに発生する余計な事務作業を省く努力が必要だ。これもリーダーと事務局の仕事である。
リーダーと事務局は、タスクチームを円滑に運営するために手間を惜しんではいけない。必要になる資料を幅広く集め、客観的に議論する土台を整備する。そして議論の道筋を整理し、骨太なロジックを構築していく。それに加え、会議の設定やタスクのスケジュール管理、議事録のまとめと配布、資料の管理といった事務作業も担当する。
リーダーと事務局は、タスクチームを支える裏方であるという意識を強く持っていたい。
6-4 リーダーと事務局はすべてを抱え込まない
複数部門のメンバーが参加するタスクチームの本領は、メンバーの経験や知識、能力を集めて、活用することで発揮される。リーダーと事務局はそれを裏方で支える役目だが、すべての業務を抱え込んでしまうのでは本末転倒だ。
各メンバーにしかできない仕事は、積極的にメンバーに責任を持ってもらう必要がある。しかし仕事を任せるだけでは、日常業務の優先順位が高くなり、メンバーが担当しているタスクの成果を十分に出せない。状況を報告し合う場を定期的に設け、状況にあわせてサポートする仕組みを構築しておきたい。
6-5 焦点を絞った議論と発散した議論のバランスを取る
作成しておいた議題を淡々と説明して議論の発散を抑え、メンバーに形ばかりの意見を求める議論は避けたい。アイデアが生まれなくなり、タスクチームの活力も失われてしまうからだ。アイデアを生み出すために議論の発散は必要だが、問題解決という目的からかけ離れた議論をしてしまうこともある。目的に焦点を絞った議論が当然求められる。タスクリーダーは、絶妙なバランスで議論を発散させる「さじ加減」を心得ておく必要がある。
ここでポイントになるのは時間管理だ。会議の時間が許す範囲で、ある程度の発散した議論を許容する。本題から逸脱したり、時間不足でアウトプットが出そうにない場合は、議論をさりげなく本題に戻す。この際、当初設定したタスクチームの目的をメンバー同士で再確認することが有効だ。
また会議の冒頭で、その会議で期待するアウトプットを最初に確認しておくと、議論をまとめやすくなる。例えば、議論が発散した際には「会議の予定時刻の半分を過ぎました。おかげさまでとても活発な議論ができました。これからは当初の目的に沿って、アウトプットを作る作業に入ります」と伝えて議論の方向性を変えるようにする。
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