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南アフリカで痛感した「自己責任」の重要性「世界一蹴の旅」からすべて教わった(1/3 ページ)

ブラジル代表の優勝で幕を閉じたFIFAコンフェデ杯。開催地となった南アフリカでは、来年のW杯本番に向けてスタジアム建設などが急ピッチで進む一方で、治安の悪さを懸念する声も聞こえる。現地の今をレポートする。

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月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也 ――松尾芭蕉


 2009年6月6日、ウズベキスタンにてサッカー日本代表が4度目となるワールドカップ(W杯)出場の瞬間を目の当たりにした後、日本代表チームを追いかけて横浜に戻りカタール戦を観戦。休む間もなく、オーストラリアのメルボルンへ向かう。6月17日にオーストラリア戦が終わると、メルボルンから西へスライドする形で10時間強のフライトを経て、FIFAコンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)のホスト国である南アフリカにやって来た。

 日の出直前、飛行機の機体がヨハネスブルグ空港に着陸態勢に入ったとき、窓から街道沿いに均等に並ぶ街路灯が目に入ってきた。想像していたよりも整然と並んでいる灯りに違和感を覚えた。僕が思っていた南アフリカは、もっと雑然としていて、いろいろなものが発展途上で、とにかく危険というイメージだった。

 南アフリカに来てから、今ちょうど10日間が経ったところだ。思えば、あの時から「ただひたすら危険」という思い込みは的を外れていたのだった。

友好的な現地人たち

 ヨハネスブルクに到着後、まず驚いたのは街にあふれる黒人の多さだ。ケープタウンに行けば、白人や混血などの人種も多いのだが、ヨハネスブルクにはほとんど黒人しかいないといっても過言ではない。普段、黒人と接する機会が少ないわれわれ日本人にとっては、威圧感を覚え、少なからず畏怖の念を抱いてしまうのは不可抗力かもしれない。

 「南アフリカの人々は危険だ」という思い込みはまたも空振りする。空港へ迎えに来てくれたタクシーのドライバー、ホテルの従業員、マクドナルドの客、皆が極東からやって来た東洋人の僕らに優しく接してくれたのである。外を歩く際は、警戒態勢を最大レベルに引き上げ、行き交うすべての人を疑っていたが、徐々にそれが無駄なことだと分かってきた。

 確かに時と場所を選ぶ必要はある。日中は安全で夜間は危険。これは南アフリカに限らず、世界一安全な日本も含め世界中どこでも共通だ。ただし場所については、日本とは大きく事情が異なる。貧困層が住んでいるエリアと比較的裕福な層が住むエリアとでは圧倒的に治安レベルが違う。この感覚は日本人にはあまりないかもしれない。

笑顔を振りまく現地の少年たち
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