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「新聞社として新しい情報流通の形を」――朝日新聞社・洲巻プロデューサー(1/2 ページ)

大手新聞社らしからぬユニークなサービスを次々と提供している朝日新聞社。モバイル新サービスの担当プロデューサーに今後の方向性などを聞いた。

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 Twitterによるサッカーワールドカップ南アフリカ大会予選の実況中継や、高校野球のスコア情報などを表示できるブログパーツの提供など、伝統的な企業という殻を破って果敢に新しい取り組みを続けている朝日新聞社。9月1日にはユーザー同士が政治など話題のニュースや、暮らしに役立つ便利サイトのリンク集などを投稿し、情報を共有するモバイルメディア「参考ピープル」をオープンする(関連記事:サービス発表の記者会見)。

 新サービスを指揮するデジタルメディア本部 商品企画セクションの洲巻圭介コンテンツ開発プロデューサーに、モバイルメディアの現状や今後の方向性について話を聞いた。


朝日新聞社 デジタルメディア本部 商品企画セクションの洲巻圭介氏
朝日新聞社 デジタルメディア本部 商品企画セクションの洲巻圭介氏

モバイルの情報検索は不便

――リクルートが運営する携帯電話向けサイト「R25式モバイル」といった有名サービスが停止する中、なぜ今モバイルに特化したサービスを始めたのですか。

洲巻 昨年来の市況の悪化によって、モバイルのみならず、インターネット業界全体が是非を問われています。加えて、モバイルサービスはPCと比べてユーザーの年齢層が低いため、広告的な観点からも課題を抱えています。一方で、ユーザーの視点に立つと、モバイルによる検索は不便で情報を探しにくい。キャリアのメニューページにも検索機能が付いてきていますが、PCの検索サービスと比べたら圧倒的に不便ですよね。

 十分な広告市場が育っていなかったり、欲しい情報をユーザーが見つけにくかったりというモバイルサービスの現状を踏まえると、参入のチャンスは大きいはずだと考え、新サービスはあえてモバイルに特化したわけです。

 具体的には、モバイルにおける情報の検索サービスをいかに向上させるかということを目的に、新サービスではユーザーが気になる携帯サイトを登録してほかのユーザーと共有できる「ソーシャルブックマーク」という手法を取り入れました。ただし、単に携帯サイトをブックマークできて便利だというものではなく、人によってうまく掘り起こされた情報自体を別のユーザーがブックマークすることで、良い情報が見つかりやすくするという構造を作ろうと心掛けました。

 既にβ版でのサービスが始まっています。そこで扱われている題材としては、ためになる情報かどうかというよりは、話題性があり、ユーザー同士のコミュニケーションが生まれやすい情報が中心になっています。


――モバイルビジネスに目を向けたきっかけは?

洲巻 わたし自身はモバイルのヘビーユーザーではないし、特にこの分野に秀でていたわけでもありません。今回のサービスは35歳をターゲットにしています。わたしも含めこの年代は基本的にPC世代であり、モバイルはあくまでPCの補助ツールといった位置付けなので十分に使いこなせていません。一方、現在の多くのモバイルサービスは、もう少し年齢を下げたいわゆる携帯世代に向けたものであるため、30代のビジネスマンを中心にしたPC世代向けのサービスに勝機があると考えました。

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