イタリアの科学者、ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で天体観測してから今年でちょうど400年。国際連合、ユネスコ(国連教育科学文化機関)、国際天文学連合は2009年を「世界天文年」と定めてさまざまな事業や催事を行っている。その取り組みの一環として12月3日から4日間、最新の宇宙技術などを紹介するイベント「宙博2009」が都内で開催された。
4日に行われた特別ゲストセッションには、宇宙飛行士の若田光一さんやスペースシャトル「エンデバー」のマーク・ポランスキー船長らが登場し、今年7月に実施された国際宇宙ステーション(ISS)の組み立てミッション「STS-127」の活動報告や、若田さんとともにスペースシャトル「ディスカバリー」に搭乗し宇宙飛行した世界天文年の記念旗の返還などを行った。
今回のミッションについて、ポランスキー船長は「ISS建設にあたり、日本、欧州、ロシア、カナダ、米国など各国の宇宙飛行士が一堂に会した。さまざまな人が協力すれば科学、ひいては人類平和のためになることを実感した」と心境を語った。船外活動やロボットアームの操作などを担当したデイヴィッド・ウルフさんは「宇宙での作業は非常に過酷でミスを犯す余地はほとんどない。限られた時間の中で無事完遂できたのは、宇宙事業において世界でもトップクラスの日本で長年トレーニングを重ねてきたからだ」と強調した。
4カ月半に及ぶ日本人初の宇宙長期滞在を経験した若田さんは「(国際宇宙ステーションの日本実験棟である)きぼうの窓から眺めた真っ暗な宇宙にはまだ知らない世界が広がっていた。科学技術はわたしたちの知見を広める素晴らしい産物だ」と振り返った。
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