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システム刷新で鮮魚の発注業務を効率化 「魚がし日本一」のにっぱん(2/2 ページ)
東京を中心に江戸前寿司「魚がし日本一」などの飲食チェーンを展開するにっぱんは、老朽化した受発注システムの刷新を足掛かりに情報システム全体を見直し、業務改善を図った。
各店舗の売り上げをタイムリーに把握
新システム導入により最も効果が表われたのが人件費の削減である。受発注システムの自動化により、データ入力担当者や仕入れ担当者など約10人のリソースを配置転換した。加えて、各店舗の売り上げ状況をタイムリーに把握できるようになったことで、コストコントロールが図られ利益拡大につながった。
「商品の在庫や店頭での売れ筋などの情報が毎日集まるようになり、迅速な経営判断が可能になった。結果的に競争力が向上した」(近藤氏)
以前は発注ミスによる在庫超過も見られたが、売り上げ予測の精度が高まり、まとめ買いによるディスカウントを狙った大量数の発注が問題なく行えるようになったほか、前年の販売実績データに基づきキャンペーンを展開するなど、メニュー開発の面でも効果が表れた。
「予測数値に基づいたコストコントロールによって店舗の利益効率が向上した。従業員にもデータ活用は浸透しており、これまではIT部門を頼りにしていたが、今では売り上げ分析などは各部門で実施するようになった。ITなくして社内の業務改善は図れなかった」(近藤氏)
今後の取り組みとしては、店舗のレジデータと受発注システムを連動させることで、現在は8〜9日かかっている月次決算を5日以内に短縮したいという。
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