あなたの知らない“ハイサワー”の世界――博水社社長・田中秀子さん(後編):嶋田淑之の「この人に逢いたい!」(5/7 ページ)
“ハイサワー”の博水社は、創業時からレモンの品質にこだわり味を守る一方で、ノンアルコールビールなど時代に合わせた新商品も積極的に展開している。3代目社長・田中秀子さんが考える、同族企業の経営において守るべき点、変えるべき点とは?
ノンアルコール飲料としてのハイサワー
“現場の情報”に真摯に向き合う中で、時代の逆風を乗り越えてゆくのが博水社、そして3代目田中秀子社長のスタイルだとして、では、お酒離れが進む現代日本社会にあって、逃れようのないその事実にどう対応しているのだろうか?
「実は、こういう時代だからこそ、実現したかったことがあるんですよ。それは、先代が6年間もかけて開発しながらも、取引先(ホップのエッセンスの製造元)の倒産で断念していたノンアルコールビールのレシピを世に出すことでした」
世に出すには早過ぎたかに見えた「ノンアルコールビール」という発想……それは不幸な出来事によっていったんはついえたかに見えたが、時代の変化が、そのレシピを改めて必要としたのであろう。
「先代のレシピは、“ハイサワー ホップ&レモン”(カロリーオフ、プリン体ゼロ)として結実しました。もう1つが、“ハイサワーハイッピー”の“レモンビアテイスト”と“ビアテイスト”なんです(ともに、カロリーオフ、プリン体ゼロ)。実は、生ビールにそっくりな外見のこの“ハイサワーハイッピー”は、意外な飲まれ方をしているんです。お酒と割らずに、ノンアルコール飲料としてこっそりそのままと飲んでいたりするんですよ(笑)。
例えば、キャバクラやホストクラブなどで働いている方々も、そんなにお酒が強い人ばかりではありませんから、お客さんに全面的に合わせてお酒を飲んでいると、どうしたってカラダが続かないですよね。そんな時、お酒と割らずにハイサワーハイッピーを飲む。プロ達の裏技なんです」
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