藤田正美の「まるごとオブザーバー」
自民党のていたらく(1/2 ページ)
いったいこの国の政治はどうなってしまったのだろう。民主党に政権を奪われた途端に自民党自体がガタガタになってしまった。民主党を批判するのに政策論議はそっちのけで「政治とカネ」の話ばかり。揚げ句の果ては、国会審議を放り出しても小沢問題や鳩山問題を追及するのだという。2月25日になってようやく審議に戻ったとはいえ、それも審議拒否をめぐって世論の風当たりが強くなったからであるように見える。
役割を果たせない自民党
こんな戦術で7月の参議院選挙に勝てると自民党執行部が踏んでいるのなら、大変なもくろみ違いである。長崎県知事選で勝ったことで、自信を強めたのだろうか。もちろん長崎で民主党が負けたのは事実であるし、その直接あるいは間接の影響が小沢幹事長や鳩山首相の政治資金問題であったことも否定できまい。しかしこの問題が7月まで国民の関心事であるとはとうてい思えない。しかも東京地検特捜部は小沢幹事長の政治資金について、焦点のゼネコン裏献金を結局は立証できずに終わった。立証できずに終わったことで「疑惑が晴れた」わけではないが、それをいつまでも言い立てることは生産的ではない。
それに日本の景気の状態を考えれば、いまは一刻も早く補正予算を実行に移さなければならないし、2010年度予算はいささかの遅滞も許されないほど景気の行方は微妙な状態にある。予算審議の遅れで景気を支える突っかい棒を外すなどということは、あってはならないのである。
そして何よりも自民党には本来あるべき二大政党制の野党の姿を実現するという役割があったはずなのである。政治とは単に数だけの問題ではなく、その政治で何を実現し、社会をどのような方向に誘導するのか。それを国民に提示していく政党の姿である。
これまでの野党は、自分たちの案にどれぐらいの実現性があるかなどと気にしないでもよかった。社民党や共産党が典型的な例である。例えば、社民党の絶対平和主義は聞いていて心地は良くても、現実離れし過ぎていると感じる。理想は理想で追い求めることは重要であると思うが、それでは目の前の問題を解決できない。普天間基地の移設問題にしても、県外、国外と唱えていればすむという話ではない。
だからこそ本格的に下野した自民党には、現実的な野党の姿を追求してほしかったと多くの国民は思っていたはずである。それなのに自民党はその期待を裏切ってしまった(少なくとも今のところは)。政策論争と言えば、ただのばらまき批判だけ。道路などに無駄にカネをかけてきたことを反省するでもない。あとは政治とカネの問題で小沢幹事長などの証人喚問を要求するばかりだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「現実にCtrl+Zはない」──フィジカルAI時代に企業が備えるべき新役務「AIスチュワード」とは
-
2
「昆虫サイボーグ」で災害現地の行方不明者ゼロに挑む
-
3
初心者向けの料理教室、男性受講生が過半数に 家庭での調理頻度も増加
-
4
チェキの新製品、タッチパネル式大画面を初搭載 富士フイルムが2機種新発売へ
-
5
5年で辞める予定の元数学青年が「しなやかな心とぶれない軸」でCISOへ - 富士通 太田氏
-
6
大阪ガス、AI開発基盤の内製で期間を最大6割削減 コード生成の先にある壁とは
-
7
なぜ答えが揺れ、堂々と間違えるのか ―― 確率で動く生成AIの正体
-
8
出世する人としない人の差は、微差であり、その微差こそが大差になる
-
9
第55回:「誰が言ったか」で判断していないか──SNS時代、エグゼクティブに必要な「空気に逆らう力」
-
10
50代で退職したらどうなる? 辞めてはいけない4タイプ
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー