学んだことは質問に変換し、日々問い続けよう:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)
過去思考から未来志向へ。「その先に何を目指しているのか?」という未来を引き出す質問を習慣化することでゴールが見えてくるという。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
なぜビジネスパーソンは本を読むのか
本稿をお読みいただいているような方であれば、日ごろから多くのビジネス書を読んだりセミナーを受講するなどして、絶えず「知識労働力」の向上に努めているだろう。では、なぜそのような努力を続けているのか?
仕事の効率アップのため、あるいはスキルアップのため、という答えが返ってくるかもしれない。書店に行けば「効率アップ」や「スキルアップ」をテーマにした書籍は多数見つかるし、同種のセミナーも自主的な勉強会を含めれば年々増えている。
もう少し掘り下げてみよう。なぜ仕事の効率アップやスキルアップを目指すのだろうか?
この質問は筆者自身がセミナーや研修でよく問い掛けているものだ。たいてい次のような答えが返ってくる。
早く退社するため
業務の生産性を上げるため
昇進するため
年収を上げるため
お気付きだと思うが、いずれもまだまだ「なぜ」の余地が多分にある。「なぜ早く退社したいのか?」「なぜ業務の生産性を上げたいのか?」「なぜ昇進したいのか?」「なぜ年収を上げたいのか?」。
ここで質問を「なぜ」から「何」に切り替えると意識は未来に向かう。すなわち「その先に何を目指しているのか?」である。例えば「早く退社した先に何を目指しているのか?」といった具合だ。
先ほどの「なぜ」と比べてほしい。
なぜ早く退社したいのか? → もう残業はうんざりなので…(過去)
早く退社した先に何を目指しているのか? → ジムに通いたいので…(未来)
おおむね「なぜ」からは過去志向、「何」からは未来志向の答えが引き出される。現在自分が抱えている悩みや課題について、「その先に何を目指しているのか?」を問うことで、本来のゴールが浮かび上がってくるのだ。本来のゴールは誰もが必ず持っているにもかかわらず、悩みや課題に覆い隠されているために無意識の海の底に沈められている。これを引き揚げてくれる「地引き網」が質問だ。
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