Twitterは企業のマーケティングを変えるか:戦略コンサルタントの視点(3/3 ページ)
いまやIT関係者に限らず話題にするようになってきたTwitterだが、実際に企業のマーケティング活動をどんな影響があるのか。戦略系コンサルティングファームであるローランド・ベルガーに話してもらう。
ブームとエバンジェリストに踊らされない
Twitterが特定領域において有効であることは間違いありません。ただ、Twitterのエバンジェリスト(伝道師)たちが主張している「Twitterができないために企業が世の中から取り残される」といった懸念は、ここ数年の間は低いと考えられます。エバンジェリストはTwitterに限らず、新しいサービスが出るとそのサービスが究極であるかのように喧伝するものなのです。
「質の悪い情報が発信されない」というインセンティブが十分に働く「仕掛け」が準備できていない限り、「群集の善意」を素朴に信じて企業活動を実施していくのは、あまりにもリスクが高いといえます。
Twitterに限りませんが、不特定多数から情報が発信されるインターネットを企業活動に生かすためには、「適正な質の情報」が発信される「仕掛け」と、大量の情報の中から適正な情報が選択される「仕組み」を、戦略的に整備していくことこそが重要です。
彼らの喧伝を必要以上に無視することは賢明な対応とはいえませんが、「それなりに有効な機能もある」といった程度の冷静なスタンスで対応しておくことが適当といえるでしょう。
著者プロフィール:くわ原 隆志 株式会社ローランド・ベルガー コンサルタント
東京大学大学院理学系研究科修士課程修了後、現職。自動車、電機、金融、食品、旅行代理店において、新規事業立案、グローバル展開、チャネル再構築等の戦略立案や業務・組織改革の立案や、大規模PMOの運営や大規模システム調達の支援などのコンサルティングを手掛けている
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