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自律回復の“芽”みえる、1〜3月期GDP 国内外に懸念も
1〜3月期の実質GDP成長率は年率でプラス4・9%となり、当初の市場予測を大きく上回る「V字回復」を記録した。
1〜3月期の実質GDP成長率は年率でプラス4・9%となり、当初の市場予測を大きく上回る「V字回復」を記録した。一昨年秋のリーマンショック以降、“垂直落下”といわれる失速をみせた日本経済。回復にはかなりの長期間を要するとみられたが、実際には過去の回復局面を上回るペースで復調している。
「アジアの成長を背景にした外需拡大と政策効果が(景気を)引っ張った」(菅直人副総理・経済財政担当相)。1年にわたる回復の道のりで企業収益は劇的に改善。雇用・設備の過剰感も薄らぎ、消費マインドも好転した。「物価下落→企業収益ダウン→雇用・賃金情勢の悪化」というデフレスパイラルとは正反対の「正の連鎖」の胎動が始まったようにも見える。
だが、これまで内需を押し上げてきた政策効果はすでに縮小方向だ。新車販売を下支えしてきたエコカー購入補助制度は9月で、省エネ家電が対象のエコポイント制度も12月に期限を迎える。国の予算では公共事業費の大幅カットも景気を押し下げる。
さらに、頼みの綱である海外景気にも下ぶれ懸念が漂う。中国の金融引き締めや人民元引き上げに対する警戒感は強まるばかりで、ギリシャ危機に端を発した金融不安も円高や株安を誘発する。こうした国内外でのリスクはようやく現れ始めた「自律的回復の芽」(津村啓介内閣府政務官)を摘みかねない。7月の参院選も控える中、日本経済は正念場の夏を迎える。
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