ベストチームに向けてシステムコーチはこうかかわる:ベストチームとは何か(3/3 ページ)
具体的な組織の事例を使いながら、システムコーチが実際のチームに対して、いったいどのように働きかけるのか、その結果何が起こるのかをお伝えしたい。
チームメンバーへの事前インタビューを経て、コーチは、このチームの強みとチャレンジを以下のように示し、コーチングプランを提案した。
強み
- 各メンバーに仕事へのコミットメントがある。ビジョンの大筋には賛同し、イノベーションの必要性を認識している
- チーム内の人間関係は良好。批判や見下しなどの否定的なコミュニケーションは少ない。
チャレンジ
- 各メンバーが個人のオペレーションに集中しており、チームとしての認識が低い
- 日常業務に忙しく、経営的な視座をもって話し合う時間と場がない
- 経営計画にともなう変革が他人事になっており、あきらめ感が蔓延している
- リーダーとメンバーの間で十分な対話がなされておらず、計画と現場に乖離がある
今回のシステムコーチングで目指す成果
- チームとしての合意がなされ、互いに協力しあう関係が日常的にある
- ビジョン、メンバーの役割、具体的な行動の方向性が一致している
- それぞれの役割が明確になり、具体的なアクションが始まっている
コーチングプラン
4カ月間にわたる、おおむね3週間に1回のシステムコーチング
- 第1回 コーチングへ向けての土台づくり
- 第2回 チーム内の感情を聴き取る
- 第3回 チーム内の構造を明らかにする
- 第4回 チームに内在する志、可能性を共有する
- 第5回 ビジョンを描き、行動を決める
- 第6回 まとめ
こうした事前診断を経て、コーチはチームリーダーとの擦り合わせを行い、第1回目のコーチングセッションが次回から始まる。システムコーチが、チームによる現状のひもときへの取り組みをどう支援するのか、チームワークを醸成するためにどのようにかかわるのか、チームがアクションを起こしていくのをどうサポートしていくのかを、次回以降にお伝えしていく。
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著者プロフィール:島村 剛(しまむら たけし)
筑波大学第一学群社会学類卒業。住友銀行より日本総合研究所に転じ、同社研究企画部長を経て2004年CTIジャパン代表に就任。その後2008年に(株)ウエイクアップ、2009年にCRRジャパンを設立。個人と組織の本領発揮を促し、「世のため人のために活躍する人材」の志と絆を育むべく活動中。共著書に「コーチングのプロが教えるリーダーの対話力 ベストアンサー」がある。CTI認定資格CPCC(Certified Professional Co-Active Coach)CRR認定資格ORSCC(Organization & Relationship Systems Certified Coach)
著者プロフィール:森川 有理(もりかわ ゆり)
国際基督教大学教養学部卒業後、カリフォルニア大学サンタバーバラ校にてアジア太平洋研究修士課程修了。三和総合研究所(現 東京三菱UFJリサーチ&コンサルティング)国際本部研究員、リクルート、HCソリューション部、シニアコンサルタントを経て独立。現在、グローバルセンセーション代表 組織におけるチームビルディングや風土改革、夫婦や家族の関係性の強化、また個人の夢の実現など、コーチングを通じて、社会の中における個人が互いに認め合い、成長し合う関係性を支援している。CTIジャパンのリーダーとして、コーアクティブ・コーチングを伝えるとともに、システム・コーチ養成機関であるCRRのグローバル・ファカルティでもある。「コーチング・バイブル」(東洋経済)共訳。
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