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「数字」や「データ」がすべてだと思う部下に悩む上司ビジネスマンの悩み相談室(1/2 ページ)

今回は「数字」や「データ」がすべてと考え、現場になかなか足を運ばない部下を抱えるリーダーの方にお話ししたい。

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事例

 食品メーカーのS部長は4月から新しく配属されてきたM君にW店の売り上げが伸びない原因を究明し、打開策を考えて提案してほしいと依頼した。

 1週間後、S部長はM君に「先週依頼したW店の件は、どうなっているのかな?」と尋ねた。

 「売り上げが伸びない原因を明らかにするため、W店に関するさまざまな数字を詳しく分析してみたんです。その結果、原因はこの店舗への客足がここ半年、徐々に遠のいていることだと分かりました。客足が伸びていないことについて、わたしたちに打てる策は特にないと思いますので、今までどおりに対応して、様子を見るのが最善の方法だと思います」

 M君の答えを聞いたS部長は、頭の中に浮かんだ1つの疑問を口にした。

 「それで、W店には足を運んだのかな?」

 M君はなぜ、そんなことを聞くのか、という表情で、こう答えた。

 「いえ。W店は遠いですし、原因は数字を見れば分かると思ったので、行きませんでした」

 S部長は言った。

 「現場に行って、人と会い、話をしてくることも大事だと思うよ」

「なぜですか? 人と会って、売り上げが伸びるでしょうか?」

 S部長は、頭を抱えた。


 M君には、データや数字を重視し過ぎるきらいがある。人と会って話をしたり、現場を見るよりも、出された数字が大切で、それをもとに判断しようとしてしまうのだ。

 「分析力はあるのだけれど、数字ばかりにとらわれて、現場に足を運ぼうとしない」

 このような部下を持つ上司の方に遭遇する。どのように対処したらいいだろうか。

理論派の特徴

 以前のコラムで4つのタイプということについてお話しした。復習になるが、部下を育てる上でとても大切になるので、再度ご紹介したい。

 自己主張レベル・感情表現レベルから次の4つに分類できる。

  • 理論派――完璧に仕事をしたい
  • 現実派――仕事を完成させたい
  • 友好派――周りとうまくやっていきたい
  • 社交派――注目してほしい

 分析力があるが、データを重視する人は、この4つのタイプの中で「理論派」に属する。「理論派」の人は、計画性や体系化に優れ、正確さや調和を重んじるという長所を持つ。一方で、完璧を求め過ぎるために批判的で非協調的になったり、無秩序や間違いに苛立ちを覚えたりしやすい(人が間違いを犯した場合、厳しく批判することがある)という短所がある。


理論派の特徴

 良い面もあるのだが、完璧を求めて批判的になったり、意義をきちんと説明して目的を明確にしないと仕事に積極的に取り組もうとしなかったりする。逆に反論をしてくる可能性もある。

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