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クラウドの経営インパクトは甚大クラウドで変える戦略IT投資(2)(3/3 ページ)

クラウドコンピューティングで企業の戦略はどのように変わるのか。 「戦略IT投資」「社内ITナビゲーター」「IT業界の観点」などの視点から話してもらう。2回目は「戦略IT投資」について。

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インパクトは甚大

 どの領域がクラウド化可能か、結果、全体のIT投資がどれくらい削減できるか、は個別企業ごとに異なる。しかし、もし、一部で言われているように企業ITの4分の1がクラウド化され、クラウド化でそれらのコストが7割削減できるとしたら、どうなるか。単純計算で18%のコスト削減となる。従来のよくあるコスト削減において、全部門一律数パーセントの削減を強要してきたことを思うと、文字通りけたが違う。既存システム運用にかかるコストは膨大であり、企業のうちの47%は、IT投資全体に占める新規開発が20%に満たない状況にある。

 従って、企業の2社に1社にとっては、IT投資の全体額を維持したまま、全体の18%を新たに新規IT投資にまわすことができる。新規IT投資をほぼ倍増させることができるのである。これまで以上に多くの戦略投資ができ、これまでは厳しい情勢の中で逡巡してきた思い切った粒の大きな投資も可能になり得る。もちろん、当面のIT投資・ITコストの削減にまわすことも現実解の1つである。このように、IT投資の自由度を大幅に高める可能性を与えるクラウド。経営に対するインパクトは甚大である。

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著者プロフィール:遠山 浩二(とおやま・こうじ) A.T. カーニー株式会社 プリンシパル

遠山 浩二

東京大学法学部卒。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)を経て、A.T. カーニー入社。IT戦略、IT組織戦略、ITアウトソーシング戦略、ITプロジェクト監査、など、企業のITマネジメントに関わるコンサルティングを金融機関を中心に行う一方、ITベンダーに対する事業戦略・成長戦略・営業支援も手掛ける。ベンダー・ユーザー両面からITの課題解決にアプローチしている


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