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崩れていく水平分業と重層化のIT業界クラウドで変える戦略IT投資(4)(3/3 ページ)

IT業界の収益構造を含めた構造変化がクラウドで加速しつつある。

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サービスビジネスで新たな収益源を探る

 サービスビジネスの具体案として、次のような可能性はないだろうか。

 1.BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング):ITの共用化が図られるクラウドの拡大は、これまで固有性にこだわるあまり進展しなかった業務の共通化への道を拓く。システムのプロたるITベンダーが、特定業務のプロである企業とパートナーシップを組んで、BPOビジネス展開する。

 2.真のCIOサービス:ユーザーのIT戦略をサポートする。クラウド化と自前化の判断により大幅なコスト削減が可能となる一方で、セキュリティの側面も着目が必要、また、経営視点・客観的視点の投資判断支援も変わらず重要である。外部・ITの専門家の立場からの冷静な判断が価値を提供しうるのではないか。

 Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは、10年以内に自前で運用されるサーバはなくなるだろう、との見通しを示した。真偽は別としても、多くの主要国内外企業がクラウドにコミットしている今、ITを取り巻く大きな変化を無視することは出来ない。2010年代前半にこの大きな変化が到来するならば、今、動き始めなければ間に合わない。既に海外事業者は動き出している。

 OracleとSun Microsystems、HPとEDS、などは垂直統合型に向かう典型例である。アマゾンは、日本での展開を本格化する。年内にもデータセンター事業を立ち上げサービスを開始、また国内IT企業と協力し顧客企業のクラウド導入支援体制を整える、とのことである。日本の既存の事業者も、事業戦略の再構築に、早急に着手する必要があろう。

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著者プロフィール:遠山 浩二(とおやま・こうじ) A.T. カーニー株式会社 プリンシパル

遠山 浩二

東京大学法学部卒。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)を経て、A.T. カーニー入社。IT戦略、IT組織戦略、ITアウトソーシング戦略、ITプロジェクト監査、など、企業のITマネジメントに関わるコンサルティングを金融機関を中心に行う一方、ITベンダーに対する事業戦略・成長戦略・営業支援も手掛ける。ベンダー・ユーザー両面からITの課題解決にアプローチしている


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