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社内の誰とでも交流できる――IT部門の強みを生かせCIO Japan Summit 2010 レポート

マーカスエバンズは9月1日から3日間、CIOを対象にしたイベント「CIO Japan Summit 2010」を都内で開催した。オリンパスのIT統括本部本部長を務める北村正仁氏などが登壇し、IT部門の役割の再定義について議論した。

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 マーカスエバンズは9月1日から3日間、CIOを対象にしたイベント「CIO Japan Summit 2010」を都内で開催した。2日目のパネルディスカッションは「グローバル経済の新たなパラダイム到来とCIO、IT部門の役割の再定義」をテーマに、オリンパスのIT統括本部本部長を務める北村正仁氏、アメリカンファミリー生命保険会社(アフラック)CIOの福島行男氏、バンテックの執行役員情報システム部長、加松哲夫氏が登壇した。それぞれの登壇者のコメントを集めた。

オリンパス 北村正仁氏


オリンパス 北村氏

 わたしはもともと光磁気ディスク(MO)の開発に携わっていました。その後、SAP導入において業務側のシステム担当をしたことがきっかけで、IT部門を任されることになりました。海外法人を含めさまざまな業務を経験していることは、有利に働いていると感じます。

 オリンパスでもキーワードは「グローバル」です。以前から売上高の7〜8割は海外でしたが、そのときから「グローバル企業」だったかというと何ともいえません。それまでは日本でつくって海外で売る従来通りの「輸出企業」という表現の方が合っていたかもしれません。しかし、現在は、世界中に開発部門、製造部門があります。ワンウェイからネットワーク型に移りつつあるのです。そうなると、従来のやり方が通用しなくなる可能性が出てきます。

 重要なのは、IT部門の仕事がいかに経営に貢献するかという視点です。「技術ばか」では駄目です。経営とITの橋渡しが必要です。経営者がITを理解しなくてはいけない、という議論もありますが、実際には難しい。それができるならCIOは必要ありません。

 その中で、最大のポイントはIT部門が「ITの可能性を信じていること」にあります。ITは金食い虫だ、などと思っていたら、当然ですが活性化しません。

 IT部門がビジョンを持つことは、企業経営にとって重要です。実際に、IT部門の人間は、社内のどの部門にも顔を出して、交流できます。これができる部門はほかにありません。今後の経営には必ずITが必要になります。会社の将来に確実にかかわれる立場なのです。今後、われわれIT部門の出番はますます増えていくと考えています。(談)


アフラックの福島氏(左)とバンテックの加松氏

アフラック 福島行男氏

 外資系であるため、本社にもCIOはいますが、日本はほぼ独自路線でITを構築しています。企画など5部門があり、サーバは800台に上りますが、ほぼすべてを中国にアウトソースしています。システムの保守に年間1万人月ほど費やしているため、社員のマンネリ化を引き起こし、結果的に人材の空洞化を招いているため、対策をする必要があります。

 わたし自身はIT部門で開発も経験しましたが、現在の20〜30代の若い世代は、システム構築作業を外部に丸投げして管理だけするという意識が強い。ITの要素技術を体に覚えていない社員を、いかに「ITマン」にするかが課題です。(談)

バンテック 加松哲夫氏

 CEOの視点でIT戦略を考える必要があります。その際、ビジネスのイノベーションは不連続という性質があるため、異色の経験を持っている方がいいと考えます。ITが重要なのは確かですが、「部門」である必要はないのではないかもしれません。

 例えば、新入社員は全員IT部門に配属し、基本的な経験を積んでから営業に出たり、管理職をやったりするという方法もあるでしょう。(談)

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