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インテリジェンスで不況を克服する米先進企業、Teradataは「データのソーシャル化」を提案Teradata PARTNERS 2010 Report(2/3 ページ)

「Teradata PARTNERS 2010」がサンディエゴで幕を開けた。60を超える企業がエンタープライズデータウェアハウスから得られるインテリジェンスの活用事例を紹介するほか、TeradataはBig Dataも活用する「データのソーシャル化」を顧客企業に提案した。

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 依然として景気の先行きが見通せない中、選ばれたTeradata「倶楽部」のメンバーたちは、Teradataのエンタープライズデータウェアハウスから得られるインテリジェンス(知見)を活用し、売り上げがなかなか伸びない経済環境でも、マーケティングを洗練させ、顧客を囲い込むことで利益の確保に躍起だ。

 オープニングに先だって日曜日に行われたユーザー事例紹介のワークショップでは、アウトドア用品の老舗、米Cabela'sや全米4位の電力会社、XcelEnergyなどが登場、厳しい経済環境の下でもインテリジェンスを活用し、自社に利益をもたらす優良顧客を割り出し、いかに効率的なビジネスを行っているかを紹介している。

優良顧客をどう見極めるか?


アイデアを交換し合うPARTNERS参加者たち

 Cabela'sでは、これまで闇雲に実施してきた折り込み広告にアナリティクスを応用、その効果を3倍に引き上げたほか、返品を受け付けるポリシーを見直して返品制度の悪用を防止する一方、360度ビューで優良と判断した顧客からの返品は受け付けられるようにポリシーをきめ細かくし、顧客満足度を損なわないよう配慮する。

 「シーズンが終わると使用済みを返品してくる悪質なケースでも、これまではリスクのひとつと容認してきたが、売り上げが伸びない中、手を打たざるを得ない。しかし、優良顧客まで失っては元も子もない」と話すのはCabela'sのディーン・ウインクープ氏。

 三百数十万世帯に電力を供給するXcelEnergyでも、料金の支払いが滞ったために電力を止める世帯数は月に2万に上る。ここでも難しいのが、優良顧客だが何らかの事情で料金の支払いが遅れてしまったケースをしっかりと見極めることだ。消費のモデルや支払いの履歴を分析し、従来は3つにしかセグメントしていなかった顧客を、個別に分析・把握できるようになったという。

 ノルウェー国営の携帯電話会社、Telenorは、9カ国でTeradataを導入している。日本とは大きく事情が異なり、利用者の99%がプリペイド式というパキスタンでもTeradataデータウェアハウスの本格的な運用を始めた。彼らのユーザーは、プリペイド式ゆえに簡単に使い始めてくれるが、他社に乗り換えるのも簡単だ。Telenorパキスタンでは、他社へ乗り換えてしまった顧客の利用パターンを解析し、これと類似するパターンの新規ユーザーには週単位でインセンティブを提供し、乗り換え防止につなげているという。

情報の「ツナミ」、ソーシャルメディアを取り込め

 乗り換えてしまった顧客の分析が利益の確保に効き目があるのはもちろんだが、そもそも自社の製品やサービスを選んでくれなかった消費者を分析することは、より価値の高いインテリジェンスを手にすることにつながる。また、インターネットの普及とソーシャルメディアの台頭によって、自社の製品やサービスに対する評価が瞬く間に伝搬する時代となっている。プラスの評価ならありがたいが、むしろネガティブな情報の方が伝わりやすいから厄介だ。

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