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これからのCIOは業績連動で年俸が決まる?(2/2 ページ)

米IT調査会社Gartnerのシニアバイスプレジデントで、ガートナーエグゼクティブプログラムのデール・カトニック氏に話を聞いた。

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コンテキストアウェアによる転換

 CIOの生き残りを占う技術としてもう1つ気になるキーワードが「コンテキストアウェアコンピューティング」である。

 コンテキストアウェアコンピューティングとは「単純ながらも膨大な量におよぶ世の中の事象を、ICタグなどの技術を用いて人間が意識せずとも、水面下でコンピュータが能動的にデータを収集・処理を行い、情報化する技術およびそれらの概念」といったように説明される。ICタグなどが収集する情報から「雰囲気」などを察知し、先行的な提案をできるようにするという。

 「コンテキストがすべてを変える」というカトニック氏に加え、シニアバイスプレジデントのピーター・ソンダーガード氏もその重要性を強調する。

 例えば、2016年にコンテキストアウェアコンピューティングが普及した場合、ユーザーが「暑い」と感じていると、すかさず携帯電話に「のどを潤すソフトドリンクをディスカウントします」といったメッセージが、現在地に近いコンビニエンスストアから飛んでくる――同氏はこうした具体的なイメージを交えて説明する。

 コンテキストアウェアコンピューティングのような考え方が既に実用化している分野もあるという。株式の自動売買システムである。世界的に見ると、現在株式の売買の半数以上が、人手を介さないいわゆる「システムトレーディング」だともいわれている。株式を売り買いする場合のさまざまな条件をあらかじめ設定しておき、あとはそれに従ってコンピュータが自動的に取引をする仕組みである。人の命令ではなく、タイミングを自ら先行的に判断し、処理するところがポイントだ。

 こうした技術的な進展は、従来のようにサービスプロバイダーをあらかじめ決めておくようなビジネスモデルを抜け出すなど、ビジネスの実行方法を大幅に転換し、競合との差別化を図れたり、逆に思わぬ大敗を喫したりする可能性をもたらすという。

 テクノロジーとそれを使うビジネスの在り方は変化していくことは間違いなさそうだ。

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