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アジア新興国バングラデシュから見た世界と日本女流コンサルタント、アジアを歩く(2/6 ページ)

本稿では、バングラデシュの衣料品サプライヤー企業の視察から見えた現地の状況を伝えるとともに、Next11(N11)であるバングラデシュが世界をどのようにとらえ、日本をどのように見ているのかを伝える。

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 新興国の工場というと、雑然とした作業環境を思い浮かべる方もいるかもしれないが、それは大きな誤りだ。工場の中は製造機器が整然と並べられ、工程ごとに組織化された要員が配置されている。

左から検針、stockルーム、sampleルーム

 こうした環境が整えられているのは、バングラデシュ政府の政策によるところが大きい。バングラデシュ政府は、衣料品産業を極めて重視しており、設備投資や人材育成を積極的に奨励している。そのため、製品管理、品質管理、労務管理も行き届いており、衣料品サプライヤー企業には優秀な人材が集まってくる土壌が備わっている。

右は工場を守る警備員、左はsewing section

 こうして集められた人材が活気に満ち溢れた工場の雰囲気を作り上げている。人員構成は男性3:女性7といったバランスになっており、主に、男性が機械を扱う工程を、女性が細かな縫製や検品の工程を担っている。デザインの調整では、男女ともに参画しており、明るく活発な検討が行われている。わたし自身、多くの工場を視察しているが、このような活気のある雰囲気に驚きを抱かずにはいられなかった。


活気に満ち溢れたMDチーム

 作業を終えると、従業員はその日の出来高が記載されたシートを手に、工場内にある窓口へ向かう。ここで出来高が確認され、後日、基本給に上乗せされ、支給されることになる。このあたりのフローは、前時代的な雰囲気がないわけではない。


出来高記載シート

 しかし、これがまた、整然と機能的に行われており、企業の労務管理が行き届いていることを示している。従業員の増員に伴い、来年には、人事管理システムを導入することになっており、その管理はますます洗練されたものになっていくだろう。

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