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守る40代、攻める50代――エグゼクティブ転職の意外な実情ヘッドハンターの視点(2/3 ページ)

ここ数年間、わたしが携わった案件で転職した方の平均年齢はいくつだと思いますか。

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 グローバルから見ると特殊な日本の市場環境から考えると、クライアントのニーズにマッチしているのは40代よりも、50代の方が多いのです。それに、日本の50代はまだまだ現役ですし、60代でもリタイアするのはもったいない人がたくさんいらっしゃいます。大企業であまり必要性のないポジションにしがみついて若い人たちから煙たがられるより、外に飛び出し経験・人脈をフルに生かして活躍してほしいと思います。

 また守りに入らないため、転職後、上司(主にAsia/Pacific)の言うことを聞かないのも50代の傾向かもしれません。上司の言うことを聞いても聞かなくても、実績が出せなければクビになるし、実績を出せば褒められる。まだまだ外資系IT業界はそういう世界です。

 「自分が正しいと思ったことをやる。それでダメならあきらめもつくし責任も取る。日本市場を知らない上司の言うことを聞いて結果が出なくてクビになったら何のために転職したのか分からない」という考えの方が50代には多いのです。

 40代の方は転職に関してご家族が反対することもあると書きましたが、「妻に転職を反対されています。妻を説得してくれませんか?」と言う方も少なからずいらっしゃいます。そんな時、「奥様を説得できない人がお客様を説得できるのかしら?」とか「奥様はなぜご主人の決断をサポートしないのかしら?」などと(きれいごとでしょうか・・・?)考えてしまいますが、奥様が何を不安に思っているのかをお聞きし、その不安を取り除くような情報を出来るだけお渡しするようにしています。

 ただヘッドハンターが家族の問題に深く首を突っ込むべきではありません。ヘッドハンターの仕事を始めたころに調子に乗って「はい、わたしが奥様を説得します!」と言って奥様に電話したところ「あなたうちの人のなんなのよ!?」とあらぬ疑いをかけられ話が余計ややこしくなったこともあります・・・・・・。

 奥様にはもう少しご主人の決断を信じてサポートしてほしいのと同時に、奥様から信頼されるようご主人にも頑張っていただきたいものです。そこ、ヘッドハンターはあまりお役にたてませんから……。

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