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「日本向け」が品質の裏付けになるタイ・宝石産業に学ぶ女流コンサルタント、アジアを歩く(2/3 ページ)

タイで宝石加工製造業を営む日本人社長へのインタビューをもとに、グローバル化が進む中で日本人がどのようにビジネスを組み立てるべきかについて考察する。

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タイの宝石産業を取り巻く環境


加工業務中の従業員

 well field社の伊原 浩氏はタイで宝石産業に携わるようになって28年になるという。この間、タイの宝石産業を取り巻く環境も変化した。かつては、タイでもルビーやサファイアが採掘されていたが、現在ではもう採れなくなっている。今では、ミャンマーからルビー、スリランカからサファイア、ロシアやアフリカからダイヤが、タイに持ち込まれ、それらを加工して世界の市場に運ばれるのである。

 先述の通り、かつては、日本向けの加工製造が中心に事業を進めてきたが、現在ではヨーロッパ向けが増えた。オーダー数で言えば、日本向けとヨーロッパ向けはほぼ同数だが、日本向けはシルバーが多く、ヨーロッパ向けはゴールドや宝石が多いため、取引金額は大きく異なるそうだ。ヨーロッパ向けは全体の6割弱の金額を占め、今や最重要市場となっている。


加工業務の様子

 ヨーロッパとのビジネス形態としては、欧州のラグジュアリーブランドからデザイナーがタイの工場に派遣され、指定されたデザインの下で製造している。わたしが工場視察した際も、製造にかかわる指導がデザイナーから行われていた。

 なお、タイ国内の市場に対しては、日本ブランドとして独自のラインアップで販売している。現在、タイ国内で53店舗・4ブランドを有しており、2013年には100店舗・4-6ブランドに展開していく計画だそうだ。日本市場に対しては、ブランド指定デザインの製造、プライベートブランドの展開などを行っている。

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