優秀な女性はなぜ、さまよってしまうのか？：海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点（4/5 ページ）

企業で働く女性が他の仕事を求めてさまよう理由とは？　女性はどのようにして内なる「アーキタイプ」を開発し、目標を思い描き、達成できるのか？　「さまよう女性」が目的を見つける方法とは？

[エグゼクティブブックサマリー，ITmedia]

静かなる革命

　仕事をしていた前世代の女性は、成功するためには男性と張り合わせなければならないことを学びました。そのため、彼女たちは成功するために着飾りました。しかし、まるで自分たちは「偽物」だと感じていました。彼女たちは、自分たちが成し遂げたものは自分たちを守ってくれるか、あるいは、無理をし過ぎてその報いを受けるか、そのどちらかだと従順に信じていました。

　しかし、1990年代までに、Deloitte Touche社などの企業のリーダーたちは、非常に能力のある女性を雇っていながらも、企業に残り、幹部職へ昇り詰める女性がほとんどいないことに気付き始めました。中にはこのギャップの原因は女性がキャリアよりも出産を選ぶからだと指摘する人もいましたが、Deloitteの調査によると、離職した女性たちは、自分は無視され置き去りにされていると感じていたことが分かりました。彼女たちは、従来の排斥よりも「より微妙な差別」の被害者でした。指導者不足や難しい業務が与えられないことが原因で、辞めていたのです。

　Deloitteはこの問題を是正するために行動を起こしました。そして、1992年にはわずか3人だった女性の幹部職昇進人数を2005年には116人に増やしました。では、さまよう女性をさまよわせているものは何なのでしょう？　さまよう原因は5つあります。