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iPadの企業導入は進むも、セキュリティやコストに課題iPadで躍動する職場(1/4 ページ)

企業に業務改善をもたらすツールとして注目を集めているのが、iPadをはじめとするタブレット端末だ。本稿では、ビジネスユーザーの調査データを元に、企業におけるiPad活用の可能性について、ITアナリストが分析、解説する。

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 近年、スマートフォンやスレート/タブレット型端末(次世代型タブレット)に代表される新型の情報端末に注目が集まっている。PDA製品を例に引くまでもなく、携帯電話とクライアントPCの隙間を埋める小型の情報端末は、従来から一部に根強いファンを獲得していた。しかし、昨今の人気は、かつてのそれとは比較にならないほど大きなスケールとスピードで押し寄せている。

 特徴的なのは、こうした新種デバイスの導入に消極的であると見られていた国内企業の間でも、ビジネス目的での導入が真剣に検討され始めているということである。一連の人気をけん引しているのが、Appleの「iPad」であることに疑いの余地はない。

 むろん、ビジネスの視点から新種の情報端末を活用したいという動きが出ている現状は、企業の情報戦略という点では歓迎すべきことである。従来のビジネススタイルに変化をもたらし、具体的なビジネス価値を生み出す期待も高い。しかしその一方で、iPadやタブレット端末は、まったく新しいコンセプトに基づく製品であるがゆえに、実際に導入した際の本質的な価値やリスクを見積るのが困難であるということも認識しておかなければならない。

 今後、このカテゴリに属する製品が各社から続々と提供されるであろうことを考えても、CIO(最高情報責任者)ならびにIT部門責任者は、一時的な流行としてではなく、中長期的な視座に立って自社のクライアント戦略をとらえるべきである。

企業におけるタブレット端末の導入状況

 今回のタブレット端末に関する調査は、2010年11月25日から12月24日の期間でITmediaの読者を対象に実施した。有効回答者数は300件。回答者のプロフィールを図1に示す。

<strong>図1 回答者プロフィール(有効回答数:300件)</strong>
図1 回答者プロフィール(有効回答数:300件)

8割がiPadやタブレット端末に興味を持つ

 iPadやタブレット端末に対する興味の度合いを図2に示す。図には業種別と従業員規模別の結果も併せて示した。iPadやタブレット端末に対して興味を持っている割合は82.3%と高く、業種別ではいずれの業種でも8割を超えている。中でも「サービス・その他」では86.3%と9割に迫る割合となった。

 従業員規模別では、いずれの規模でも75%を超える結果となったが、「5001人以上」の大企業が88.2%と最も割合が高く、「100〜1000人」の中規模企業で唯一75.3%と8割を下回った。いずれにしても、企業でのiPadやタブレット端末への興味が高いことが分かった。

<strong>図2 「iPadやタブレット端末への興味(有効回答数:300件)</strong>
図2 「iPadやタブレット端末への興味(有効回答数:300件)

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