iPadの企業導入は進むも、セキュリティやコストに課題:iPadで躍動する職場(2/4 ページ)
企業に業務改善をもたらすツールとして注目を集めているのが、iPadをはじめとするタブレット端末だ。本稿では、ビジネスユーザーの調査データを元に、企業におけるiPad活用の可能性について、ITアナリストが分析、解説する。
企業におけるiPadやタブレット端末の導入は限定的
では、次に導入状況を見てみよう。図3に、現在の導入状況を示した。最も割合が高かったのは、「導入を検討している」の32.7%で、次いで、「導入計画はない」25.7%、「検討していない」19.3%、「既に導入している」17.7%、「具体的な導入計画がある」4.7%と続いた。「導入計画はない」と「検討していない」の2つの合計は45%、逆に「既に導入している」と「具体的な導入計画がある」の2つの合計は22.4%となった。
業種別にみると、「導入計画はない」および「検討していない」という割合は、いずれの業種でも4割程度と差はないが、情報サービスで「既に導入している」割合がおよそ3割と高くなっている。従業員規模別では、100人以下の小規模企業で「既に導入している」という割合が27%と高く、100〜1000人の中規模企業で「検討していない」割合が3割以上という高い結果となった。
これらのことから、企業での導入は始まったが、特定の業種や特定規模の企業で明確に導入が進展しているとは言えず、導入は部分的であり、一般化している状況には達していないと考えられる。
以下は、図3にて「既に導入している」「具体的な導入計画がある」または「導入を予定している」と回答したグループに対して、導入範囲、導入時期、利用用途、導入機種のOS種類を問うた結果である。最初は導入の範囲であるが、最も高い割合となったのは「試験的な導入である」の43%、次いで「特定の部署や業務に限定導入する」の40.6%が大半を占め、そのほかの項目はいずれも1割以下だった(図4)。
「全社的に導入する」という割合を業種別と従業員規模別に見てみると、業種では「情報サービス業」14.6%と「サービス業」11.5%、従業員規模では「5001人以上」15%、「100人以下」13.6%が相対的に高く、この部分で導入に積極的な企業が存在していることが分かった。
企業におけるタブレット端末の導入時期はどうだうか。図5を見ると、最も高い割合となったのは「2010年」30.9%であり、以下、「未定」23%、「1年以内」21.8%、「6か月以内」12.7%、「2年以内」8.5%、「3年以内」3%の順となった。各項目を導入時期別に見てみると「2010年」の割合が高いのは、「既に導入している」と回答した企業が多く含まれ、「不明」には「導入を検討している」と回答した企業が多く含まれていている。
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