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SEのコミュニケーション能力向上がITを「武器」に変える〜その2エグゼクティブのための人財育成塾(3/3 ページ)

日本企業の強みの1つであったOJT。このOJTをうまく復活させる事ができれば、SEのコミュニケーション能力の向上にも大きく寄与します。では、そのOJTを復活させ、有効に機能させるためにはどのような工夫が必要なのでしょうか?

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  • ポイント2:ティーチングとコーチングをうまく組み合わせた指導を行う

 次に、上記のようなレビューをOJTで行う際に、OJTトレーナー側が意識しておくべきポイントに触れておきます。ここ数年、指導者に求められるスキルとしてコーチングが注目されているのは皆さんご存知の通りです。しかし、コーチングの手法に偏重した指導を行うと思ったように効果が出ない場合があります。これは、相手によってはコーチングでは解決しない課題があるからです。例えば、構築するシステムで必要な知識やシステムが対象とする業務内容に関する知識が不足している人に、「君はどう思う?」、「何故そう考える?」と言った質問を繰り返してもあまり有効とは言えません。そもそも、必要な知識が不足しているのですからそこを補ってあげなければ考えようがないのです。そのような対象者には、ティーチングが必要となります。逆に、知識は十分にあるがモチベーションの落ちているような人に、「それはこうすべきだ」、あるいは「何故こうやらないんだ」と言った指導はさらなるモチベーションダウンにつながりかねません。図2に示すように、相手の知識とモチベーションに応じて、うまくティーチングとコーチングをミックスして指導する必要があるのです。OJTを提供するトレーナーの方々は、育成対象者のレベルを把握して指導方法を工夫して下さい。


図2

 今回ご紹介したOJTは、WBSをツールとして利用しても実行可能です。そもそも、何のために、いつまでに、何を、誰と、どうやって実行すれば期日までに成果を出せるかを定義するものがWBSです。その作成、進捗管理、WBSの修正を議事録と同じような形で行うと、議事録と同様の効果を出すことができます。また、両者を並行して行えば効果が高まることは言うまでもありません。皆さまの実務でも実践してみてはいかがでしょうか?

著者プロフィール

井上 浩二(いのうえ こうじ)

株式会社シンスターCEO。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)を経て、1994年にケーティーコンサルティング設立。アンダーセンコンサルティングでは、米国にてスーパーリージョナルバンクのグローバルプロジェクトに参画後、国内にてサービス/金融/通信/製造等幅広い業種で戦略立案/業務改善プロジェクトに参画。ケーティーコンサルティング設立後は、流通・小売、サービス、製造、通信、官公庁など様々な業界でコンサルティングに従事。コンサルタントとしての戦略立案、BPRなどの実務と平行し、某店頭公開会社の外部監査役、MBAスクール、企業研修での講師も務める。


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