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クセモノ “On-Target Earnings”ヘッドハンターの視点(1/2 ページ)

前年同期比で約15%売上を伸ばしたにもかかわらず、その数字は今期売上目標の70%にしかならず、Dさんにはボーナスがほとんど出ないというのです。

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 転職の際、よほどお金に余裕がある人でなければ、給料は優先度の高い決定要素の1つです。ところが、給料の仕組みは会社によって違うし、結構複雑で何をどう聞いていいか分からず、何度もしつこくお金の質問をするのは嫌がられると考えたりして、「きっとこういう意味に違いない!」と分かったつもりで転職して、後から「えー?!そういうことだったの?!」と驚く人が案外多いようです。

 役職や勤続年数に応じてあらかじめある程度ボーナスが決められている企業もありますが、成果主義を取り入れた企業や、多くの外資系ではボーナスは業績に応じて(結構大きく)変動します。ITバブルと言われた時代には業績連動ボーナスにより、社長よりも成績トップの営業担当者の方が高収入を得ることも珍しくありませんでした。

 外資系企業のオファーレターには“On-Target Earnings”(OTE)という言葉がよく使われますが、これは“Target”(多くの場合売上目標)を100%達成したら支払われる金額のことです。「A社での年収はOTE1000万円、70:30です」といった場合には700万円は年間の基本給で、300万円は100%目標達成時に支払われる業績連動ボーナスという意味です。また「B社の基本給は700万円で100:30、OTEは910万円です」という使い方をすることもあります。ではA社とB社どちらがいいオファーでしょうか?金額だけ見るとA社の方がよさそうですが、“Target”の部分が見えていないのでこれだけで判断するのは少々危険です。

 C社(日系システム企業)に勤めていたDさんから「E社(外資系中堅IT企業)に転職しました。基本給はC社よりも下がったけど、ボーナスはE社の方がずっと高いのでトータルでは年収がアップします。エネルギッシュでスピード感のある職場です。」と、連絡がありました。E社の給与制度は少々極端だと聞いたことがありましたが、Dさんにとってはじめての転職ではないし、自分でいろいろチェックした上で決めたのだろうと思っていました。

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