思考を中断しない俊敏性こそがiPadの最大のウリ:iPadで躍動する職場(1/2 ページ)
日ごろ精力的に駆け回るビジネスマンにとってiPadの魅力とは何か。タルク・アイティー社長で、ITmediaのオルタナティブ・ブロガーとしても活躍する谷川耕一氏に語ってもらった。
ノートPCにはない立ち上がりの速さ
ソフトバンクが法人向けの営業体制を強化しているせいもあってか、iPadの企業導入が加速しているようだ。とはいえ、安易にiPadを企業導入してしまうことに警鐘を鳴らす声もある。
ノートPCと違いiPadはそれ単独では利用できない。母艦となるPCあるいはMacが必要になるため、業務においては当然ながら既存PCを置き換えるのではなく、iPadを追加する形になる。これでは機器の管理対象が増えてしまい、情報システム部門などにとっては負担増となるだろう。
さらに、数多くのiPadをサーバで集中的に管理できないのも、企業での利用には向かないという意見もある。この点は、元々コンシューマー向けの製品として誕生したために、いたしかたないともいえる。
こうした懸念はあるものの、メリットがあるので企業はiPadを採用するわけだ。利用していて個人的に最大のメリットだと感じる点は、とにかくiPadの起動が早いということだ。思い立ったらすぐに電源をONにして利用できる。このスピード感は、ほとんど思考を中断しない。その結果、単に立ち上がりが早く待ち時間を短縮するだけではなく、思考を中断せずに次々と業務をこなせるため、仕事そのもののスピード感がアップするのである。これはノートPCとの大きな違いといえるだろう。
ノートPCに対するもう1つの優位性は、電池が非常に長持ちするということである。ノートPCも充電電池だけで長時間駆動するモデルも出てきてはいるが、一日中利用できるようなものはまだ少ない。最近は公衆無線LANなども整備され、外出先で電波を求めうろうろすることは少なくなったものの、電源を求めて歩き回ることはノートPC利用の場合、実に多い。
iPadは、あまり電源の心配をする必要がない。毎日充電しなくても、外出した際にちょっと利用する程度なら一度の充電で数日間は利用できる。携帯電話用の補助バッテリーなども活用でき、外出先での業務の利便性はiPadで大きく向上するだろう。
さらに、iPadは画面が大きく、ノートPCと同様とまではいかないものの、かなり似たような感覚で使える。携帯電話やスマートフォンではやる気にならないような作業も、iPadならスムーズにこなせるのだ。慣れてしまえばソフトウェアキーボードでもそれなりの速度で文章を入力できるようになる。筆者は記者発表会に参加した際などに、Twitterを使って発表内容をつぶやいたりする。このときにiPadを横にしてソフトウェアキーボードを利用すれば、両手で軽快にタイピングでき、かなりの頻度でつぶやくことも可能だ。
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