飲み会を社内の公式行事にせよ!:人を信じても、仕事は信じるな!(2/2 ページ)
「たかが飲み会」と軽んじる人もいるかもしれませんが、中小企業は少人数で、社員の結束がモノをいう世界。飲み会も重要なコミュニケーションツール。
会社は小さいからこそおもしろい
社員がなぜ中小企業で働いているかを考えたことがあるでしょうか。1番の理由は「大企業に就職できなかったから」ですが、ではなぜ今の会社で働き続けるのでしょうか。その理由は簡単で、社長のことが好きだからです。最終的にはすべてそこに行き着きます。
考えてもみてください。会社の責任をすべて担っているのは社長です。業績が上がるのも下がるのも、クレームがくるのもこないのも、社内が明るくなるのも暗くなるのも、すべては社長次第です。
会社の業績も、制度も、文化も、雰囲気も、すべて社長がつくっている。社長同士で集まって、「うちの幹部連中はダメだ」などと言っている人も大勢いますが、そんなことを言っている暇があったら、もっと社員と関わるべきです。
だから、わたしは社員と頻繁に飲みに行き、社内外を問わず社員に関心を持っています。
朝、タクシーのなかで報告を受ける際も、内容は必ずしも仕事の話とは限りません。社員のプライベートについても、報告を受けます。「子どもが生まれる」と聞けば、その社員の給料のこと、今後の生活のことを考えるし、「サラ金から借金をしている」と知れば、解決の方法を指示する。
事実、社員がサラ金にはまったときは、わたしが出て行って交渉した。社員が家を買うときは、値引きの手ほどきをする。
社員と近い距離での会社経営がわたしは楽しいです。だから、わたしは大きな会社をつくりたいと思いません。会社が大きくなって、社員の顔と名前が一致しないようでは、仕事はつまらなくなる。
別に大会社が悪いとか、中小企業が正しいという話ではありません。ただ、わたしは小さい会社のほうが楽しいし、小さい会社には小さいなりのやり方があるということです。
本書で紹介したわたしの考えや武蔵野のルールは、常識外れなものもたくさんあります。しかし、それでわたしも社員も明るいから、それでいいです。
社員の仕事は信用してないから、徹底的にチェックをしますが、人そのものは信用しています。はっきりと言い切れるのも、常に社員と親密なコミュニケーションをとり、お互いが人間としてつき合っているからです。
著者プロフィール:小山 昇
株式会社武蔵野 代表取締役社長。全国の経営者でつくる「経営研究会」主催。1948年山梨県に生まれ、東京経済大学卒業後、日本サービスマーチャンダイザー(現在の株式会社武蔵野)に入社。昭和52年に株式会社ベリーを設立し社長に就任、昭和62年に現職に就任。 平成2年、株式会社ダスキンの顧問に就任。平成4年顧問を退任、現在に至る。 株式会社武蔵野は、国内企業で初となる2度の経営品質賞を受賞。(2000年、2010年)その経営ノウハウを活かし、“中小企業の経営品質”にフォーカスした講演活動や書籍出版を行っている。
関連記事
- 「下」から「上」へ真実がぶれないしくみをつくれ
- “辞めません、でも頑張りません”「新・ぶら下がり社員」が会社をむしばむ
- 「ワンランク上を目指す人」の人脈は、視点の高さと広さで考える
- もうカリスマは要らない
- 終わらない会議はなぜ終わらないのか――意思決定に重要な「数字力」
- 「ワクワク会社革命」の裏側
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.