検索
連載

マネすることは「最高の創造」だ!人を信じても、仕事は信じるな!(3/3 ページ)

「あの人にはオリジナリティーがある」「独創的な考え方をする」と評価することがあるが、世の中には完全なオリジナルは存在しない。そこで「すばやく、上手にマネをする人」を評価するという小山社長の“マネ術”とは。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

成功への近道は「丸ごとマネをする」

 武蔵野が経営サポートを行っている企業344社のうち、67社が過去最高益を挙げ、倒産が1社もありません。その理由の1つは、会員企業の社長が「素直にマネすること」の大切さを知っているからです。広島県福山市でスズキ自動車の代理店をやっているスズキフロンテ福山販売株式会社の佐々木通誠社長は、経営理念まで丸ごとマネをしています。

 他社の経営理念をそのままマネるのはさすがに勇気がいります。だからといって特に問題はありません。それで実績を挙げているのですから、じつに正しい方法です。

 そのほか、アポロ管財株式会社(東京都狛江市にあって、マンション共用部の清掃業務を主に行っている会社)の橋本真紀夫社長も「素直にマネすること」の重要性を強調します。

 「わたしは自分の会社で週3回の勉強会をやっているが、その際、小山さんから直接教わった通りに教えることを心掛けています。変に自分のアレンジを加えず、そっくりそのままマネをすることがポイントです」そう語る橋本社長は、わたしの実践経営塾などで教わったことだけを自社の勉強会で扱い、教わっていないことはやらないそうです。

 わたしは、社内勉強会や経営塾などで、自身の著書『仕事ができる人の心得』(阪急コミュニケーションズ)を使っています。この本は用語集になっていて、仕事に必要な言葉をピックアップし、その意味やわたしなりの解釈を解説したものです。

 橋本社長はその本を見せながら、「小山さんから教えてもらったところはすべてチェックしてあります。未チェックの言葉はまだ教わっていないので、わたしが勝手に解釈して、社員に教えるようなことはしません」と話していました。

 見事なまでの徹底ぶりです。橋本社長に限らず、経営サポートの会員企業の社長は、みんな似たようなところがあります。自分自身が素直にマネをして、社員にその大切さを繰り返し教えている。

 そして、実践経営塾に新しい社長が入ってくると、ベテラン社長が口を揃えて「とにかく、何でもマネすることだよ」とアドバイスをします。それが成功への近道であることを、社長は自身の成功体験によって知っているからです。

著者プロフィール:小山 昇

株式会社武蔵野 代表取締役社長。全国の経営者でつくる「経営研究会」主催。1948年山梨県に生まれ、東京経済大学卒業後、日本サービスマーチャンダイザー(現在の株式会社武蔵野)に入社。昭和52年に株式会社ベリーを設立し社長に就任、昭和62年に現職に就任。 平成2年、株式会社ダスキンの顧問に就任。平成4年顧問を退任、現在に至る。 株式会社武蔵野は、国内企業で初となる2度の経営品質賞を受賞。(2000年、2010年)その経営ノウハウを活かし、“中小企業の経営品質”にフォーカスした講演活動や書籍出版を行っている。


前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る