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日本が蘇るために必要な「グリーン・オーシャン戦略」という選択ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/3 ページ)

自然の恵みである限られた資源を感謝して使う。そしていかにして次世代に残すかも考えなくてはならない。

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「グリーン・オーシャン」戦略の根底には感謝と愛がある

 グリーン・オーシャン戦略とは、次の3つのパートから定義されるが、すべての根底には、自然への感謝と「恩送り」の愛情が根底にあるものを言います。

 1、自然の恵みに感謝して、「節約」または「代替」可能なものはできる限り早期に対策を講じて、限りある地球の資源を有効活用しながら、あるいは企業や個人の力で未来への恩送りとして、自然を守るだけではなく積極的に森を育てるなどの自然を育むことを実践し、自然と共存共栄していくことをミッションとする。

 2、未来に起こりうる可能性をさまざまな角度であらかじめ予測し、最悪のシナリオまで想定したリスクを計算し、企業として個人としてできる範囲でこのリスクを削減する。この場合のリスクには単に因果関係が明らかに認められる場合だけではなく、人間および地球環境に悪影響を与える可能性がある場合には使用しないとする「疑わしくは製造しない、使用しない、売らない」という姿勢が重要である。

 3、企業は使用している自然の恵みや地球の資源やエネルギーなどの活用につき堂々と包み隠さずに情報公開を行い、消費者とともに愛情をもって、持続可能なモノづくりやサービスを行う。この情報公開により多くのステークホルダーとともに、「人と地球に優しい」社会をつくることを企業活動および個人のライフスタイルの根幹とする。

 グリーン・オーシャン戦略はこうした定義により、地球と共存共栄することが狙いです。

 企業であれば、活動から得た利益を自然の保護や育成に寄付および投資を行い、その活動内容を公開します。この結果、企業はステークホルダーである消費者や地域の住民たちから受け入れられて、会社の評判が高まります。その評判により、グリーン・オーシャン戦略を実践している会社は持続的な成長が可能になるという経営戦略です。 

 企業がグリーン・オーシャン戦略を実施し始めると、CSR活動こそが、多くのビジネスチャンスであることに気が付くでしょう。すでに賢くなってきた多くの消費者はグリーン・オーシャン戦略を遂行している企業や人々から買うだけではありません。賢い消費者は売り手である企業(提供者)たちとともに地球への感謝や次の時代を担うこどもたちへの愛情を共有しながら、新しい未来を創りだす魅力ある新技術や商品をともに創造するようになるからです。

 いわゆる売り手(企業)と買い手(消費者)が世間と地球にとって、「これはいい!」と思える商品やサービスやビジネスモデルが今後の新しい経営戦略になるでしょう。しかも、いまやTwitter、 Facebook、 mixiなどのソーシャルメディアが普及して「口コミ」による評判がすぐに広まる時代には「共感」こそが経営の重要な資源になってきています。こうした時代背景を考えても、グリーン・オーシャン戦略が今後の企業経営には必要ではないでしょうか?なぜなら、感謝と愛情が根底にあるわけですから、まさに商人道です。

 「グリーン・オーシャン戦略」は競合相手と戦うことをベースにしていません。この地球を、自然の恵みをいかに大切にするか?子どもたちへ「恩送り」することをベースにしての経営戦略であり、個人であればライフスタイル革命にあたるものなのです。なので戦うことを前提にした、レッドでもなく、ブルーでもないのです。

 競合相手をも誘い込んでしまうほどの大きな経営思想、地球との共生を意味する「グリーン」なのです。今回の一連の大惨事により、こうした発想の転換が必要になると思います。

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