バーチャルプレゼンを使って、遠く離れた顧客の心をつかむ方法:海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点(2/3 ページ)
ITの進化でいつでもどこでも世界中の人と、コスト効率よくコミュニケーションができるようなった。そこでは会って話す時以上に、聞き手の関心を集めることが重要。相手を自分のプレゼンに引き込むためのテクニックとは。
テレビやラジオのアナウンサーから学ぶ
バーチャル技術を使ってプレゼンをすることは、簡単ではありません。聞き手と繋がることは難しいことですし、接続を維持することはもっと大変な事です。必要なウェブツールもなかなか使いこなせません。また、姿の見えない聞き手が、Eメールやウェブサイト、ツイッターやテキストメッセージなどの妨害によって注意散漫になってしまうことがあることを頭に入れておいてください。バーチャルプレゼンターは、ラジオやテレビ番組のアナウンサーと同じ問題に直面するのです。よって、彼らから学ぶことができます。
報道アナウンサーは聞き手と会話することはありません。アイコンタクトも取りません。聞き手が他のことをしながらニュースを見たり聞いたりしていることを分かっています。それでも、アナウンサー達の大部分は、極めて効果的にバーチャルプレゼンを成功させています。注意してアナウンサーを観察し、耳を傾けてください。そして、自分のバーチャルプレゼンにアナウンサーの標準テクニックを取り入れてください。また、テレビタレントがどのように番組の流れをコントロールしているか観察し、自分のプレゼンをスムーズに進められるようにしてください。
効果的な切り替えや流れを考えてください。アナウンサーは、放送のタイミングや流れを非常に細かく書き記した概要を持っています。同じように、プレゼンの流れを書きこんだフローチャートを使ってください。概要には、プレゼン名、目的、テーマ、テクノロジーを書きこみましょう。フローチャートは、時間、テーマ、参加者、ツール、流れの5つの欄に分けてください。そして、適宜、詳細を各欄に記入してください。
目的は、可能な限り対面会議に近い空気を作り出すことです。そのためには「バーチャル会議準備シート」を作ってください。このシートはバーチャルプレゼンで話すことの基本的な概要を記したもので、話の内容、質問の時間、事前に準備しておく必要のある答えやリソースなどが書き込まれたものです。これと同時に、バーチャルプレゼンの中でチームの誰がどの部分を担当するのか細かく記した「役割分担表」も作ってください。また、アナウンサーのように「最も興味深いものを最初に持ってくる」というルールに従ってください。
聞き手の興味を最も惹き付けるこのできる話から始めることが大切です。計画を立てる際は、次の5つの質問に対する答えを考えてください。
聞き手の興味を引く!! 重要な5つの自問
1. 最も重要なトピックは?
2. そのトピックを発表する順番は?
3. 情報はどのくらい掘り下げるべきか?
4. 質疑応答にはどれだけの時間を取ればよいか?
5. 持ち時間の中でどのくらいのものを無理なく網羅できるか?
テレビ番組のアナウンサーは焦っているように見えませんが、実際は焦っています。彼らは膨大な量の決められた情報を、ぎっしり詰まった時間枠の中に納めなければなりません。そのため、放送時間を1秒たりとも無駄にできないのです。ニュースキャスターのブライアン・ウィリアムズが、担当するNBCナイトリーニュースの冒頭で「えーこんばんは、えーでは、その、今夜最初の、えーと、ニュースは、その……」などと話すことが決してないのは、そのためです。
確かにバーチャルプレゼンでは、相手がPC上で多くのアプリケーションを開き、それによってあなたのプレゼンが阻害されている可能性は大です。ここで言われているようにテレビのアナウンサーに学べ! ということはなるほどと思いました。考えて見れば彼らは自分の眼に見えない不特定多数にプレゼンしているのと同じだからです。確かに、相手に興味を持ってもらうための準備なくしてプレゼンはうまくいくはずがありません。
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