現状を打破する創造力を養う方法:海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点(2/3 ページ)
商品やサービスを創造するのと同様に、あらゆる業務において労働効率を上げるためには工夫が必要でそれを実現するのが「創造力」。ではいかにして身に付けるのか。
では、どのようにしたらよいか。1から5までのステップが存在しますので、それを順番に見ていきましょう。
ステップ1:問いかける
解決したいと思っている問題を明確にしてください。それがあなたの「創造力の課題」であり、最終的に自分はどうありたいのか示すものです。ジグソーパズルの完成図のように、創造力の課題はアイディアと解決策をはめたり、はめなおしたりする作業の目安となります。
次に、「創造力の概要」をまとめてください。理想目標を一文で説明してください。その際、どのような問題を解決しようとしているのか、どのように目標を提示および再提示するのか、そして、なぜその問題を解決する必要があるのか、自分に問いかけてください。
まず、自分の置かれた状況を分析してください。過去、同じ問題を自分あるいは他の人はどのように解決しようとしたのでしょう? 彼らの手法は効果があったのでしょうか? もし効果がなかったとしたら、なぜ失敗したのでしょう? 今、あなたはその問題に対し、どのような取組を行っていますか? どのような未来が望ましいと思いますか? もし「時間、お金、資源」に限りがなかったら、どのような解決策を選びますか?
次に、問題の背景について考えましょう。問題を解決した場合、どのような反対を受けるでしょう? 反対者と彼らが反対する理由を特定してください。法的対立あるいは、法的知識の欠如は障壁になりますか? 仕事仲間の間柄では、今の状況においては、精神的あるいは経済的な支援を受けている人がいますか? 人は変化を恐れます。よって、(自分自身の恐怖も含め)恐怖に対処しなければならなくなるのは、当然のことです。解決に向けて取り組む中、誰が競争相手になりますか? 同じ問題に取り組んでいる企業は他にいますか?また、すでに他の有利な手法を考えている人はいますか?
解決策を考えつくだけでは十分ではありません。仲間にその解決策を受け入れてもらえるよう説得する必要があります。ターゲットを明確にしてください。誰を説得しようとしているのですか?
そして、どのように自分の新しいアイディアを伝えようしているのですか?どのようにそのアイディアを広めようとしていますか? この取組そのものの計画を立て、いくつかの小さな段階に分けてください。「デリバラブル」を明確にし、いつ提出するか決めてください。予算はどのくらいですか? 予算以下に抑えるための方法とはどのようなものですか? 主な測定基準を決めてください。また、成功を計るためには何が必要ですか? 主な業績指標を3個から5個決めてください。期待できる利益と投資収益率をはっきり説明してください。
「なぜ? 」 「もし○○だったらどうするか? 」そして「なぜそうではないのか? 」という3種類の問いかけをしてください。子どものように何度も繰り返しこの問いかけをしてください。「なぜ? 」と問いかけることで、どのような力が現状を生み出したのか、探る手助けになります。「もし○○だったらどうするか? 」と疑問に思うことで、代替案を考える事ができますし、「なぜそうではないのか? 」と考えることで、変化に反発する力や、特定のアイディアの邪魔をする力を探る事ができます。この3つの問いかけについて考えることで、禅で言うところの「初心者の心」、つまり既存の考えに妨げられない心を手にし、新しい考えを受け入れやすくなります。
視点を変えてください。カメラのように物事を見てください。まず標準モードで問題を見つめ、その後ズームアップし、その問題が個人にどのように影響しているのか見てください。街の視点で見るにはズームバックしてください。さらにズームバックし、国の視点あるいは世界の視点を見てください。自分の視点から離れることが重要です。部外者として問題を考えてください。そこに組織のプロセスを取り入れてください。なぜ今のようなやり方で物事に取り組んでいるのですか?また、頭の中のアイディア潜望鏡を引っ張り出し、すぐ側や別のレベルで隠れているアイディアを見つけてください。
創造力は学んで身につけるスキルであることを忘れないでください。そして、成功を収めるイノベーターにとっての基礎であるそのスキルを習得してください。物事を新しい形で結び付け、疑問を問いかけ、世界を観察し、(失敗すると知りながら)試し、そして人脈を持ち色んな人から学ぶイノベーターが成功するのです。
「問いかけ」 これは、「創造力」を生み出すための問題提起です。 なぜ、その問題をクリアしなければならないのか、クリアすることによってどんなメリットが生まれるのかをまず考える事が必要です。すぐにはアイデアや明確な答えが見つかることもないでしょうから、あらゆる方向性からそれらを見つめ、その中で疑問視することがあればさらに深く掘り下げることでその「問題」は明らかになるはずです。
ステップ2:準備する
創造力を身につける準備をし、そのための道を切り開く必要があります。組織全体で創造力を重要視し、維持する文化を作ると公約してください。そのような文化は細かい所でそれぞれ異なりますが、一定の「極めて重要なルール」を守るという責務を共通して担っています。それは、共通する「目的意識」を持ち、従業員同士の協働を促し、楽しむことで情熱を抱き、高めることです。また、クリエイティブな文化はアイディアを称賛し、アイディアを出した人に見返りを与えます。従業員に自主的に行動する権限を与え、リスクを恐れないよう勇気づけ、彼らが失敗する可能性を受け止めてください。
また、多様な人材を雇用し、企業内での多様性を促進することが重要です。例えば、デザインとイノベーションのコンサルタント会社であるジバ社が「アンバサダー・プログラム」の中で実行しているように、従業員を本来の部署とは異なる部署で3カ月間働かせることも一つの手です。
クリエイティブな文化は集団志向を嫌がります。そして、目の前のプロジェクトに集中し、自分達が誰であるか、創造力を養うプロセスのどの段階にいるのか明確に理解しています。また、例えば、創造するべき時に変更を加えることはありません。
正しい心構えを持ち、物理的な環境を整えてください。この2つは一緒に機能します。目標は、従業員を継続的にサポートするクリエイティブな環境を作ることです。小さなこと(例えば、美術館見学など)から始めましょう。その次に、例えば、特定のプロジェクトに関する、創造力を刺激するための社外集中会議を開きましょう。
社外会議の前に、従業員に資料を読ませたり、集中的に勉強させたりして下さい。そうすることで、全員が同じ姿勢で会議に臨むことが出来ます。会議場に着いたら、時間を構成して下さい。最初の挨拶でテーマを決め、ウォームアップを行い参加者にやる気を持たせて下さい。ウォームアップは、体を使うものでも(体操、ダンス)、芸術的なものでも(音楽の演奏、お互いの絵を描く)、精神的なものでも(めい想)、概念的なものでも(重要な引用文を読む)、手順を踏むものでも(関連性の無いトピックについてアイディアを出す練習)構いません。
本題に入ったら、全員を話し合いに参加させ、定期的に休憩をはさむことで脳を疲れさせないようにしましょう。音楽や記号、アートなどを使って、求める考え方を誘発してください。また、クリティブな活動に使えて、プロジェクトを進める際に役立つツールを参加者に提供することも大切です。つまり、座り心地の良い椅子からアート材料まで、あらゆるものを支給する必要があるということです。
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